【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 31,173.84  ▼164.31 (7/11)
NASDAQ: 11,372.60  ▼262.71 (7/11)

1.概況

米国市場は中国の新型コロナウイルスの感染再拡大による行動規制の強化などが相場の重石となり下落となりました。60ドル安でスタートしたダウ平均は朝方に210ドル安程度まで売られるなど軟調に推移しましたが、午後に入って持ち直すとプラスに転じる場面もありました。しかし、29ドル高で伸び悩むと取引終盤に再びマイナスに転じ一時は223ドル安まで下落しました。その後引けにかけてやや持ち直したダウ平均ですが結局164ドル安の31,173ドルで取引を終え続落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も262ポイント安の11,372ポイントとなり6日ぶりに反落となりました。

2.経済指標等

主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が下げ、コミュニケーション・サービスと一般消費財・サービスが2%を超える下落となり、情報技術も1%以上下げました。一方で公益事業と不動産の2業種が上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では中国の新型コロナウイルスの感染再拡大による行動規制の強化などが相場の重石となるなか中国売上高が大きいナイキ(NKE)が2%以上下げ下落率トップとなりました。また、ウォルト・ディズニー(DIS)とキャタピラー(CAT)、インテル(INTC)も2%を超える下落となっています。一方でメルク(MRK)が1%を超える上昇となりました。

ダウ平均構成銘柄以外では、主力ハイテク株の下げが目立ちフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(META)が投資判断の引き下げを受けて4%を超える下落となったほか、アマゾン・ドット・コム(AMZN)も米国の有料会員数が今年前半はほぼ横ばいだったと伝わったことで3%以上下げています。また、電気自動車のテスラ(TSLA)も6%を超える下落となり、動画配信のネットフリックス(NFLX)も5%余り下げています。グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)も3%余り下落しています。さらにツイッター(TWTR)はテスラの最高経営責任者(CEO)であるイーロン・マスク氏が買収提案を撤回したことで11%を上回る下げとなっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.09%低い2.99%となりました。ドル円は137円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が25日移動平均線(昨日時点で26,679円)を維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)