2022年前半の株式市場は方向感に乏しい展開
6月相場もあと2営業日を残すだけ。早いもので2022年も半年が経過しようとしています。株式市場を振り返ると、相場全体を表すTOPIX(東証株価指数)は、長期の平均売買コストである200日移動平均線付近まで上昇すると押し戻される動きで、方向感に乏しい展開となっています。
業種の物色面でも、3月安値からの上昇相場で、TOPIXよりも大きく上昇した「輸送用機器」「金融」「電気機器」「サービス」が、そっくりそのまま、次の4月の下落相場ではTOPIX以上に下落した業種となりました。
5月安値からの上昇相場では、業種は違うものの、「石油」「鉱業」「海運」「機械」がTOPIXよりも大きく上昇しましたが、次の下落相場ではTOPIXよりも大きく下落する業種の筆頭となりました。中には、「海運」や「機械」のように上昇した以上に下落した業種もあって、時の人気業種でも買いが続かない不安定な状況にあります。
「ゴム製品」「不動産」「保険」はしばらく勝ちが続くか
そこで注目したいのは、TOPIXが上昇する局面でより大きく上昇した業種でも、次の下落局面でTOPIXよりも下げなかった、つまり上昇局面でも下落局面でもTOPIXに勝ってきた「ゴム製品」「不動産」「保険」の3業種です。
図表は、TOPIXと業種別の200日移動平均線からのかい離率ですが、共通点としては、ともに株価が200日線を上回っている点です(6月27日現在)。今後、TOPIXが再び200日移動平均線に近づく局面では、戻り待ちの売りが強くなる一方で、3業種に関しては戻り待ちの売りを吸収しやすい株価位置にあることで、しばらくはTOPIXに対して「勝ち」が続くことが予想されます。
【図表】TOPIXと業種別の200日線からのかい離率(2022年1月から6月27日まで)