【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 30,483.13 ▼47.12 (6/22)
NASDAQ: 11,053.08 ▼16.22 (6/22)
1.概況
米国市場はパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長のインフレ率を2%の目標に戻すことに強力に取り組むとの米上院銀行委員会での証言を受けてFRBによる積極的な金融引き締めによる景気後退懸念が改めて意識され小幅に反落しました。177ドル安でスタートしたダウ平均は直後に364ドル安まで下落しましたが、持ち直すとプラスに転じ取引終盤には247ドル高まで上昇しました。しかし、その後上げ幅を縮めると引けにかけてマイナスに転じ結局47ドル安の30,483ドルで取引を終え反落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も16ポイント安の11,053ポイントと3日ぶりに反落となりました。
2.経済指標等
主要な経済指標の発表はありませんでした。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が下げ、エネルギーが4%余り下落したほか、素材も1%以上下げました。一方で4業種が上げ不動産とヘルスケア、公益事業が1%以上上昇しています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではダウ(DOW)が投資判断の引き下げを受けて5%近く下げ下落率トップとなったほか、キャタピラー(CAT)とシェブロン(CVX)も4%以上下げました。また、ナイキ(NKE)も投資判断と目標株価の引き下げを受けて3%を超える下落となり、ハネウェル・インターナショナル(HON)とシスコシステムズ(CSCO)、ウォルマート(WMT)も1%以上下げています。一方でユナイテッドヘルス・グループ(UNH)が2%近く上げ、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)とプロクター・アンド・ギャンブル(PG)、マクドナルド(MCD)、メルク(MRK)も1%以上上昇しています。
ダウ平均構成銘柄以外では、動画配信のネットフリックス(NFLX)が広告付きの低価格プランの導入で新規契約者が増えるとの期待から4%を超える上昇となりました。百貨店のコールズ(KSS)はフランチャイズ・グループが買収価格を引き下げる検討をしていると伝わったことで9%近く下げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.12%低い3.16%となりました。ドル円は136円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国市場が小幅な下落に止まり新たな売り材料になりにくいことから堅調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすことができるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)