【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 29,888.78 ▼38.29 (6/17)
NASDAQ: 10,798.35 △152.25 (6/17)
1.概況
先週末の米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均は米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めが景気悪化を招くことを懸念した売りが続き続落となりましたが、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数はハイテク株に買い戻しが入り反発しました。14ドル安でスタートしたダウ平均はプラスに転じると朝方に240ドル高まで上昇しましたが、伸び悩むと再びマイナスとなり273ドル安まで下落しました。その後持ち直し取引終盤に210ドル高まで上昇したダウ平均ですが引けにかけて上げ幅を縮めマイナスに転じると結局38ドル安の29,888ドルとなり前日に続いて年初来安値を更新しています。一方でS&P500株価指数が8ポイント高の3,674ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も152ポイント高の10,798ポイントとなっています。
2.経済指標等
5月の米鉱工業生産指数は前月比0.2%上昇に止まり市場予想を下回りました。設備稼働率も79.0%と前月から上昇しましたが市場予想を下回っています。また、5月の米景気先行指標総合指数は前月比0.4%低下となり市場予想と一致しています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち6業種が上げ、コミュニケーション・サービスと一般消費財・サービスが1%を超える上昇となったほか、情報技術も1%近く上げました。一方で5業種が下げ、エネルギーが5%を超える下落となり、公益事業も1%近く下げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では原油価格の下落を受けてシェブロン(CVX)が4%以上下げ下落率トップとなったほか、ウォルマート(WMT)とゴールドマン・サックス(GS)も2%近く下落しました。また、ダウ(DOW)とキャタピラー(CAT)も1%以上下げ、ホーム・デポ(HD)とインテル(INTC)も1%近く下落しています。一方でアメリカン・エキスプレス(AXP)が5%近く上げ、ボーイング(BA)とセールスフォース(CRM)も2%を超える上昇となりました。アムジェン(AMGN)とアップル(AAPL)、マイクロソフト(MSFT)も1%以上上げています。
ダウ平均構成銘柄以外では、前日に大きく下げたクルーズ船株や空運株の上昇が目立ち、クルーズ船のノルウェージャン・クルーズライン・ホールディングス(NCLH)が10%高となり、カーニバル(CCL)も10%近く上げました。ロイヤル・カリビアン・クルーズ(RCL)も6%余り上昇しています。また、空運株ではアメリカン航空グループ(AAL)が6%以上上げ、ユナイテッド航空ホールディングス(UAL)も4%を上回る上昇となっています。
5.為替・金利等
先週末の長期金利は0.03%高い3.22%となりました。ドル円は135円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は先週末の米国市場が高安まちまちとなったことで小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか大きく調整した日経平均が自律反発の動きをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)