モトリーフール米国本社、2022年6月14日 投稿記事より
主なポイント
・株価指数は6月13日に急落したが、6月14日朝の時間外取引でわずかに上昇
・投資家は、株式分割を約1ヶ月後に控えたアルファベットに注目
・一方で、ハイテク銘柄の中でオラクル株が6月14日に急騰
ハイテク業界のホットな話題
ここ数日、株式市場は厳しい状況が続いており、6月14日朝の取引開始前には、さらなる急落に見舞われることはないと思われていたものの、すぐに回復するような兆しもさほど見られませんでした。6月14日の米国東部時間午前8時現在、ダウ工業株30種平均先物は前日の終値から24ドル上昇の30,551ドル、S&P500指数先物は同8ポイント上昇の3,758、ナスダック総合指数先物は同45ポイント上昇の11,342で取引されています。
世界最大のハイテク企業数社が株式分割を発表したこともあり、最近は株式分割に関する話題で持ちきりです。インターネット検索大手のアルファベットもその中の1社で、今から約1ヶ月後に株式分割を実施する予定です。その一方で、投資家は企業のファンダメンタルズに着目しており、6月14日朝には、もう1つのハイテク企業であるオラクルの株価が、好調な決算を受けて上昇しています。
アルファベットの株式分割について
アルファベットの株主は6月1日に開かれた年次株主総会で、1対20の株式分割を承認しました。現在、アルファベットの株価は2,100ドルを上回りますが、株式分割によって1株当たりの株価は100ドル強に低下します。
ファンダメンタルズの観点で株式分割に株価が反応する理由はありませんが、過去の傾向を見ると、株式分割までの期間に株価が上昇することはよくあります。しかし、アルファベットの場合は、市場環境が不安定なために、この傾向が当てはまっていません。
株式分割に伴う投資家への影響が実際に表面化するのは7月18日以降になります。前営業日である7月15日の取引終了後に追加の株式が付与されるため、証券各社は週末の間に株式数の変更処理を行い、分割後の取引に備えることができます。その後、アルファベットが成長の勢いを持続させ、株価を上昇基調に戻すことができるかどうかは、同社次第です。
オラクルが好調
目先の好材料を求めている投資家にとって、オラクルは期待を裏切りません。第4四半期(2022年3-5月期)決算では、オラクルがクラウドコンピューティングをさらに本格的に導入し、成長が持続する兆候が示されました。
業績は堅調です。第4四半期の売上高は、為替による5%ポイントの逆風を考慮しても前年同期比5%増の118億ドルでした。クラウド関連の売上は同19%増となり、特にインフラクラウド、およびエンタープライズ・リソース・プランニング(ERP)プラットフォームのFusionとNetSuiteが好調でした。調整後1株当たり利益(EPS)は、前年同期比横ばいの1.54ドルでした。
サフラ・キャッツCEOは、今後、売上の伸びがさらに加速するとみています。長年CEOを務めてきた同氏は、インフラ部門が「高成長段階」に入ったと述べ、さらに、先ごろ買収したサーナーによるアプリ事業を考慮すると、大幅な増収が長期にわたって続くと考える理由は十分にあるとの見解を明らかにしました。
オラクルも下落相場の影響を回避することはできず、株価は2021年11月以降、6月14日朝に反発する前までに35%以上下落しています。とはいえ、ファンダメンタルズ的には順調であり、株主も久しぶりにその事実を認識しているようです。
免責事項と開示事項 記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。アルファベットの幹部であるSuzanne Freyは、モトリーフール米国本社の取締役会のメンバーです。元記事の筆者Dan Caplingerはアルファベット(クラスA)およびアルファベット(クラスC)の株式を保有しています。モトリーフール米国本社はアルファベット(クラスA)およびアルファベット(クラスC)を保有し、推奨しています。モトリーフールは情報開示方針を定めています。