東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株安を受けて大幅に3日続落となりました。431円安の26,555円で寄り付いた日経平均は9時40分過ぎに352円安の26,635円まで戻した後下げ幅を広げると11時前に629円安の26,357円まで下落しましたが、前引けにかけてやや持ち直すと540円安の26,446円で前場を終えました。500円安の26,487円でスタートした後場の日経平均は大引けにかけて下げ渋り大引け間際に329円安の26,657円まで下げ幅を縮めると結局357円安の26,629円で取引を終えています。一方で新興株は堅調で東証マザーズ指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
ソフトバンクグループ(9984)が一時5.8%安となりました。昨日の米国市場で出資先のアリババ集団(BABA)が急落したことや、目標株価の引き下げもあり大幅安となりました。エイチ・アイ・エス(9603)も6.8%安となりました。旅行需要の回復が遅れているうえ、電力小売事業を手がける子会社が不振だったことなどから上期の営業損益が281億円の赤字となり市場予想を上回る赤字となったことで売りが膨らみました。業務スーパーを展開する神戸物産(3038)も4.6%安となりました。プライベートブランド(PB)商品の調達コストが急上昇したものの大規模な値上げによって補ったことで上期の営業利益は前年同期比で2.4%増と増益を確保しましたが市場予想に届かなかったことで売りが膨らみました。
一方で米長期金利の上昇を受けて生保株が堅調で第一生命ホールディングス(8750)が一時2.0%高となったほか、T&Dホールディングス(8795)も一時2.1%高となりました。また、亀田製菓(2220)が投資判断と目標株価の引き上げを受けて一時4.0%高となり年初来高値を更新しています。東証グロース市場では第3四半期決算を発表した転職サイトのビズリーチを運営するビジョナル(4194)が10.1%高となりました。人材採用支援市場が活況で主力のビズリーチ事業が好調に推移していることから通期の営業利益の見通しを60億円から80億円に上方修正したことで買いを集めました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は357円安となりました。米連邦準備理事会(FRB)が14-15日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ幅が0.75%になるとの観測も出るなか、FRBによる積極的な金融引き締めを警戒した売りが出て昨日の米国市場が大幅続落となり主要3指数が揃って年初来安値を更新したことで大幅安となりました。25日移動平均線を割り込んだ翌日に大きく下げたことで下値への警戒感が一段と高まりますが、節目の26,500円を下回ったところで押し目買いが入り一目均衡表の雲の下限(26,510円)を引けで維持したことや、この3日間で1,600円以上も下げていることもあり明日以降の自律反発に期待したいところです。なお、日本時間の21時30分には5月の米卸売物価指数(PPI)が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)