東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は反発となりました。15円高の27,295円でスタートした日経平均は寄り付きをほぼ安値に上げ幅を広げると前引け間際に202円高の27,482円まで上昇し192円高の27,472円で前場を終えました。172円高の27,452円でスタートした後場の日経平均は13時10分過ぎに118円高の27,398円まで上げ幅を縮めた後14時10分過ぎに198円高の27,478円まで上昇しましたが、前場に続いて節目の27,500円を前に伸び悩むとやや上げ幅を縮め結局178円高の27,457円で取引を終えています。こうしたなか新興株も堅調で東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

日本の自動車メーカーが今年に記録的な利益を計上する可能性が高いとの外資系証券の指摘に加えて、一時129円台前半まで円安が進んだことで自動車株が買われました。トヨタ(7203)が3.5%高、日産(7201)が7.8%高、ホンダ(7267)が4.3%高、SUBARU(7270)も5.3%高となりました。農薬大手の日本農薬(4997)やOATアグリオ(4979)も大幅高となりました。全国農業協同組合連合会が国内の地方組織に販売する肥料について6-10月の価格を前期に比べ最大で9割引き上げると発表したことから買いを集め、日本農薬が8.1%高、OATアグリオも8.5%高となり揃って年初来高値を更新しました。 羽田空港ターミナルビルの運営を手掛ける日本空港ビルデング(9706)も4.5%高となりました。政府が本日から新型コロナウイルスの水際対策を緩和し1日あたりの入国者数の上限を1万人から2万人に引き上げたことで物色の矛先が向かいました。

また、目標株価の引き上げを受けて年初来高値を更新したのがIHI(7013)や東京海上ホールディングス(8766)で、IHIが7.3%高となったうえ、東京海上ホールディングスも一時3.8%高となりました。東証グロース市場では東京証券取引所が6月7日付で上場市場を東証プライム市場に変更すると発表したことでメルカリ(4385)が7.1%高となっています。

一方でイビデン(4062)が投資判断と目標株価の引き下げを受けて一時9.8%安となり年初来安値を更新したほか、原油価格の下落を受けてINPEX(1605)も4.6%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は178円高となりました。昨日の米国市場はインフレ懸念への警戒感が高まったことなどで反落となりました。しかし、時間外の米株価指数先物が堅調となったことやドル円の円安基調もあり買いが優勢となりました。一昨日の大幅高に続いて昨日も下げ渋るなど今週は節目の27,000円を上回っても堅調な地合いを維持していることから週後半の展開にも期待が持てそうですが、こうしたなかで明日以降も買いが続いた場合には節目の27,500円を超えて4月21日に付けた戻り高値(27,553円)を上回ることができるかがポイントとなりそうです。なお、日本時間の23時には5月の米ISM製造業景況感指数が発表されるほか、2日の午前3時には米地区連銀経済報告(ベージュブック)が公表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)