【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 33,212.96  △575.77 (5/27)
NASDAQ: 12,131.13  △390.48 (5/27)

1.概況

先週末の米国市場は物価指標の伸び率が鈍化しインフレ加速への過度な警戒感が後退したことから大幅続伸となりました。97ドル高でスタートしたダウ平均は昼過ぎに380ドル高近くまで上昇した後一旦伸び悩みましたが、引けにかけて一段高になると575ドル高の33,212ドルと高値圏で取引を終え6日続伸となっています。この結果ダウ平均は週間で1,951ドル高となり9週ぶりに上昇しています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も390ポイント高の12,131ポイントと3%を超す上昇となり3日続伸となっています。

2.経済指標等

4月の個人消費支出(PCE)は前月比0.9%増となり市場予想を上回りました。一方で米個人所得は前月比0.4%増に止まり市場予想を下回りました。また、米個人消費支出(PCE)物価指数で変動が激しい食品とエネルギーを除くコア指数は前年同月比4.9%上昇と前月から伸びが鈍化し市場予想と一致しています。さらに5月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値は58.4と速報値から下方修正され市場予想を下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも一般消費財・サービスと情報技術が3%を超える上昇となり、不動産も3%近く上げました。また、コミュニケーション・サービスと素材、資本財・サービスも2%以上上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄全てが上げました。そのなかでもアップル(AAPL)が4%余り上げ上昇率トップとなったほか、ボーイング(BA)とウォルト・ディズニー(DIS)も3%以上上げています。また、ダウ(DOW)も3%近く上昇し、マイクロソフト(MSFT)とナイキ(NKE)、アメリカン・エキスプレス(AXP)、インテル(INTC)、ビザ(V)も2%以上上げています。

ダウ平均構成銘柄以外では主力ハイテク株が軒並み高く、電気自動車のテスラ(TSLA)が7%を超える上昇となり、グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)も4%以上上げました。アマゾン・ドット・コム(AMZN)も3%を超える上昇となり、動画配信のネットフリックス(NFLX)も2%近く上げています。さらに半導体株も高く、エヌビディア(NVDA)が5%以上上げ、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)とクアルコム(QCOM)、マイクロン・テクノロジー(MU)も3%を超える上昇となっています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.01%低い2.74%となりました。ドル円は127円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の27,000円を超えてどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)