東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は小幅に3日続落となりました。米国株高を受けて7円高の26,685円で寄り付いた日経平均は取引開始から15分弱で220円高の26,898円まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に上げ幅を縮めると10時50分頃にマイナスに転じ11時10分過ぎに61円安の26,616円まで下落しました。しかし、下げ渋ると前引けにかけて持ち直し7円高の26,685円で前場を終えました。5円高の26,682円でスタートした後場の日経平均は13時前に50円高の26,728円まで上昇しましたが、伸び悩むとマイナスとなり大引け間際に79円安の26,597円まで下落し結局72円安の26,604円で取引を終えています。一方でTOPIXや新興株の東証マザーズ指数は高く揃って3日ぶりに反発となっています。
2.個別銘柄等
パソナグループ(2168)が一時5.6%高となりました。業績が堅調なことに加えて子会社のビーウィズ(9216)が3月に新規上場したことを受け特別配当を実施し2022年5月期の年間配当を従来予想から5円引き上げて35円にすると発表したことで買いが優勢となりました。業務スーパーを展開する神戸物産(3038)も4.1%高となりました。4月末まで開催したセールが好調だったうえ、冷凍野菜や冷凍果物などの売り上げが伸びたことなどから4月の売上高が前年同月比10.9%増、経常利益が32.9%増だったと発表したことで買いを集めました。また、目標株価の引き上げに反応したのが三井化学(4183)やラウンドワン(4680)で、三井化学が一時5.0%高となり、ラウンドワンも3.3%高となりました。
一方で三菱電機(6503)が4.1%安となりました。品質不正問題に関する調査委員会がまとめた3回目の中間報告書で兵庫県などにある15製作所で新たに101件の不正・不適切行為が判明し、不正・不適切行為が国内生産拠点の7割にあたる16工場の148件に広がったことで大幅安となりました。ディー・エヌ・エー(2432)も8.6%安となりました。約300億円で買収すると発表した医療スタートアップ企業の買収額が高額との見方から売りが膨らみました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は72円安となりました。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨に金融引き締めに積極的なタカ派姿勢を強める内容が含まれていなかったことから昨日の米国市場が上昇したことで買いが先行しました。しかし、一目均衡表の雲の上限(26,893円)を小幅に上回ったところで上値が押さえられ上げ幅を縮めると失速し売りが優勢になりました。伸び悩みマイナスとなったことで上値の重さが意識されそうですが、こうしたなかで明日以降も買いが優勢となった場合には上値抵抗線として意識されやすい25日移動平均線(26,687円)や75日移動平均線(26,811円)、一目均衡表の雲の上限を超えて水準を切り上げることができるかが引き続きポイントとなりそうです。
なお、日本時間の21時30分には1-3月期の米実質国内総生産(GDP)改定値や米新規失業保険申請件数が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)