【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 31,928.62 △48.38 (5/24)
NASDAQ: 11,264.45 ▼270.83 (5/24)
1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均はディフェンシブ銘柄に見直し買いが入り4日続伸となりましたが、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数はハイテク株に売りが出て反落となり、ナスダック総合株価指数は年初来安値を更新しました。162ドル安でスタートしたダウ平均は昼前に514ドル安まで下落しましたが、その後持ち直すと引けにかけてプラスに転じ結局48ドル高の31,928ドルで取引を終えています。一方でS&P500株価指数が32ポイント安の3,941ポイントと3日ぶりに反落となったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は270ポイント安の11,264ポイントと反落となり20日に付けた年初来安値(11,354ポイント)を更新しています。
2.経済指標等
5月の米製造業PMI速報値は57.5と前月から低下したものの市場予想と一致しました。また、4月の米新築住宅販売件数は年率換算で前月比16.6%減の59万1000戸となり市場予想を下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち6業種が下げ、コミュニケーション・サービスが3%を超える下落となり、一般消費財・サービスも2%以上下げました。また、情報技術も1%を上回る下落となっています。一方で5業種が上げ、公益事業が2%高となり、生活必需品と不動産も1%以上上昇しています。
4.個別銘柄動向
写真・動画共有アプリのスナップチャットを運営するスナップ(SNAP)が4-6月期の業績が会社予想を下回ると発表したことで目標株価の引き下げが相次ぎ43%余り下落しました。スナップの急落が他のSNS(交流サイト)関連銘柄にも波及しフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(FB)が7%以上下げ、グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)も5%近く下落しました。また、その他の主力ハイテク株も安く電気自動車のテスラ(TSLA)が7%近く下げ、動画配信のネットフリックス(NFLX)とアマゾン・ドット・コム(AMZN)も3%を上回る下落となっています。半導体株も下げが目立ちアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)とマイクロン・テクノロジー(MU)、エヌビディア(NVDA)が4%以上下げています。一方で家電量販店のベストバイ(BBY)が決算で売上高が市場予想ほど落ち込まなかったことで1%以上上げています。さらに取引終了後に決算を発表した百貨店のノードストローム(JWN)は決算で売上高が市場予想を上回ったことなどから時間外で大幅高となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.10%低い2.75%となりました。ドル円は126円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国市場でナスダック総合株価指数が年初来安値を更新したこともあり軟調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が下げ渋り底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)