【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 31,880.24 △618.34 (5/23)
NASDAQ: 11,535.28 △180.66 (5/23)
1.概況
米国市場は金融株が買われたことや、バイデン米大統領が中国製品に課している制裁関税の引き下げを検討していると述べたことで幅広い銘柄に買いが入り大幅上昇となりました。133ドル高でスタートしたダウ平均は昼過ぎに706ドル高まで上昇した後伸び悩みやや上げ幅を縮めましたが、その後も堅調に推移すると結局618ドル高の31,880ドルで取引を終え続伸となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も180ポイント高の11,535ポイントとなり4日ぶりに反発しています。
2.経済指標等
主要な経済指標の発表はありませんでした。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも金融が3%を超える上昇となったほか、エネルギーと情報技術、生活必需品も2%以上上げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中27銘柄が上げました。そのなかでも通期の純金利収入の見通しを上方修正したJPモルガン・チェース(JPM)が6%以上上げ上昇率トップとなったほか、ビザ(V)とアップル(AAPL)も4%以上上げました。また、アメリカン・エキスプレス(AXP)とウォルト・ディズニー(DIS)、マイクロソフト(MSFT)、キャタピラー(CAT)、ゴールドマン・サックス(GS)、コカ・コーラ(KO)も3%を超える上昇となり、ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)とウォルマート(WMT)、ボーイング(BA)も3%近く上げています。一方でダウ(DOW)とホーム・デポ(HD)、ハネウェル・インターナショナル(HON)の3銘柄が下げ、ダウは1%近く下落しています。
ダウ平均構成銘柄以外では、JPモルガン・チェースの大幅高が他の金融株にも波及しシティーグループ(C)が6%余り上げ、バンク・オブ・アメリカ(BAC)も6%近く上昇しました。ウェルズ・ファーゴ(WFC)も5%余り上げています。さらに前日に決算を受けて急落した農機のディア(DE)が売られ過ぎとの見方から押し目買いが入り7%高となっています。取引終了後に決算を発表したビデオ会議システムのズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(ZM)は売上高が市場予想を上回ったことなどから時間外で大幅高となっています。カジュアル衣料のギャップ(GPS)は投資判断の引き下げを受けて5%以上下げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.07%高い2.85%となりました。ドル円は127円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすことができるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)