今週(5月13日~5月19日)の相場動向

相場回顧 BTC:テラ騒動による暴落後、BTC=30000ドルを挟んだもみ合いの展開

ビットコインは、先週に一時BTC=335万円(26000ドル)付近まで暴落してから大きく反発し、BTC=387万円(30000ドル)を挟んでもみ合いの展開となった。市場ではテラが発行するアルゴリズム型ステーブルコインUSTの崩壊騒動を受けてさらなる下落への懸念が強まっていた。しかし、テラが準備金として保有していた約8万BTCの大部分が相場急落時にルナ(LUNA)買い支えのために使用されていたことが判明し、売り圧の減少が意識されてやや買い戻しが進んだ。その後、米パウエルFRB議長をはじめとする当局者らがインフレ抑制やスタグフレーションの可能性に言及するなか、5月18日には景気後退懸念によって米国株が大幅安となり、暗号資産市場においても同様に売りが強まった。同日から5月20日まで開催されるG7財務省会議で暗号資産規制が議論されるとの報道もあり、週末にかけても軟調な推移となった。

 

来週(5月20日~5月26日)の相場予想

米国で強まる景気後退懸念、BTCではDeFi関連で投資環境整備の動きも

金融市場では、米パウエルFRB議長がインフレ抑制を強調するタカ派的な発言をしたことで、さらなる利上げへの懸念が強まっている。JPモルガンが2022年後半の米GDP予想を引き下げるなど、金融機関による景気見通しも悪化するなかで景気後退懸念も強まっている。

来週も重要な米経済指標やFOMC議事要旨の発表を控えており、これらによってインフレや景気後退が意識された場合には株式とともにさらに下落することは考えられるだろう。北欧2ヶ国のNATO加盟申請を受けたロシアの対応にも注目が集まっており、これによりウクライナ情勢が悪化するリスクも考えなければならない。

暗号資産市場ではテラ騒動を受けた暗号資産規制の強化が懸念される一方で、コインベースやロビンフッドによるDeFiアクセスの提供や、大手格付機関S&PのDeFi格付およびDeFi戦略チームの立ち上げなど、投資環境の改善につながる好材料も見られる。DeFiの基盤となるイーサリアムのアップデートに関する追加情報もあり、これらによって暗号資産市場に買いが入る可能性もあるだろう。

直近上値としてBTC=413万円(32000ドル)、下値としてBTC=335万円(26000ドル)を意識する。