モトリーフール米国本社、 2022年5月17日 投稿記事より
何が起こったのか?
小売り大手ウォルマートが発表した四半期利益が投資家の予想を下回ったことを受け、同社の株価は5月17日に11.4%下落しました。
背景
2-4月期(2023年度第1四半期)の売上高は前年同期比2.4%増の1,416億ドル、米国事業の既存店売上高(ガソリンを除く)は同3%増、傘下の会員制量販店「サムズクラブ」の既存店売上高は同10.2%増でした。
一方で、海外事業の売上高は前年同期比13%減となり、主に2021年2-4月期に英国および日本の事業を売却したことが影響しました。
それ以上に問題なのは、収益性が低下していることです。サプライチェーン関連のコスト上昇などを理由に、粗利益率は87bp(1bpは0.01%)低下しました。人件費の増加により営業利益率は一段と悪化し、営業利益は同23%減の53億ドルでした。
最終的に、調整後1株当たり利益(EPS)は23%低下して1.30ドルとなり、市場予想の1.48ドルを下回りました。
ダグ・マクミリオンCEOはプレスリリースで、「利益は予想外の結果であり、異常な環境を反映している。米国のインフレ水準、特に食品や燃料は、利益率や営業費用に予想以上の重石となった」との見方を示しました。
今後の見通し
インフレによるコスト圧力を受け、ウォルマートは通期の利益予想を下方修正しました。経営陣は現在、2023年1月期の営業利益およびEPSを前年度比約1%減と予想しています。従来予想では、営業利益は同約3%増が見込まれていました。
免責事項と開示事項 記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Joe Tenebrusoは、記載されているどの銘柄もポジションを所有していません。モトリーフール米国本社は、記載されているどの銘柄もポジションを所有していません。モトリーフールは情報開示方針を定めています。