東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は3日続伸となりました。8円高の26,555円で寄り付いた日経平均はしばらく昨日終値を挟んで揉み合いましたが、10時30分頃から買いが優勢になると11時前には162円高の26,709円まで上昇しました。しかし、伸び悩むと上げ幅を縮め53円高の26,601円で前場を終えました。78円高の26,625円でスタートした後場の日経平均は再び上げ幅を三桁に広げ14時10分過ぎに126円高の26,673円まで上昇すると結局112円高の26,659円で取引を終えています。一方で新興株は安く東証マザーズ指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

リクルートホールディングス(6098)が一時5.2%高となりました。米国の求人検索サイトのインディードなどが好調で2023年3月期の売上高にあたる売上収益が前期比で3兆3000億円になる見通しで市場予想を上回ったことから買いが優勢となりました。リコー(7752)も一時3.9%高となりました。米国の先端医療スタートアップを買収しメッセンジャーRNA(mRNA)医薬品の開発製造受託事業に参入し、新型コロナウイルス禍で注目を集めたmRNA医薬品を収益の柱に育てると伝わったことが材料視されました。また、原油価格の上昇を受けて石油関連株が高くなかでもENEOSホールディングス(5020)が3.2%高となったほか、INPEX(1605)も5.6%高となり、ENEOSホールディングスは年初来高値を更新しています。

一方でアサヒグループホールディングス(2502)が10.9%安となりました。原材料高で国内飲料事業の採算が悪化したうえ、オーストラリアで手がけるビール事業が新型コロナウイルス禍で振るわなかったことなどから第1四半期の事業利益が前年同期比で12.8%減となったことで売りが膨らみました。電通グループ(4324)も6.2%安となりました。ロシア事業について1‐3月期に関連資産の減損損失として137億円を計上し、4‐6月期も追加の費用計上を想定していると伝わったことで売りが優勢となりました。さらに国内大手証券が投資判断と目標株価を引き下げたことで飯田グループホールディングス(3291)が一時4.1%安となり年初来安値を更新しています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は112円高となりました。昨日の米国市場が高安まちまちとなったことから朝方は一進一退となりましたが、次第に買いが優勢となり上げ幅を三桁に広げました。しかし、昨日の75日移動平均線に続いて、本日は25日移動平均線(26,729円)を前に伸び悩みました。したがって明日以降も買いが優勢となった場合には上値抵抗線として意識されやすい25日移動平均線や75日移動平均線(26,832円)を超えて水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。

なお、日本時間の21時30分には4月の米小売売上高が発表されるほか、22時15分には4月の米鉱工業生産指数と設備稼働率が発表される予定です。また、17日の米国ではウォルマート(WMT)やホーム・デポ(HD)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)