円安は、日本のあらゆるものを安く、小さくします。円建てのあらゆる資産の世界ベースでの、即ちドル建ての価格を低くします。日本のGDPも、株価も、不動産価格も、世界的に小さくします。だからあまりいいことではありません。

しかし、円安は同時に世界から日本に来るのを容易にします。旅行者も、転勤者も、今後一杯増えるでしょう。円高でも日本は旅行先としてとても人気が高かった訳ですから、円安になればそれはもう爆発的に増えるでしょう。転勤者も増える筈です。安いし、安全で、静かで、空気が澄んでいて、戦争からも遠く、インフレも強くなく、外国人にとってはエルドラドのようでしょう。子供がひとりで街を歩けることも、世界で再認識されましたし、働く場所としての日本の人気もうなぎ登りになる可能性があります。

そして日本は外国人だらけになる。日本で生産されるものの値段も安くなり、輸出が伸びるでしょう。何よりも日本人労働力が、ドル建てでとても安くなります。そうやって日本は競争力を再び得られるかも知れません。人口減少は巨大な問題ですが、外国からの転勤者が日本で結婚して、人口が増えるかも知れません。

私が就職したのは1987年でしたが、バブルまっただ中、六本木は外国人で溢れ、日本の株価はそれから2-3年狂乱しました。その頃のドル円レートを御存知ですか?130円から145円くらいです。そのような、今から見たら円安でも、日本の上場企業の時価総額和はドルベースでも巨大になり、世界に占める割合は日本史上最大、世界の時価総額ランキングでもトップ50社中30社以上が日本の企業だったのです。そうです、円安でも出来るんです。

何ごとも見る視点によって向きは変わります。環境の変化をポジティブに捉えて、前に上に進む原動力に変えていきたいですね!