不安定な相場の状況が続いています。本日(5月9日)、日経平均株価の午前終値は前週末比593円26銭安となり、現在(13時時点)は26,400円台で推移しています。

週末はBTC含め暗号資産市場も全体的に下げました。米ドル/円相場が上昇しているため、BTC/JPYチャートでは意識しにくいですが、ドル建てチャートでは年初来安値を更新する寸前まで下げてきています。

【図表1】BTC/USD 日足チャート
出所:Trading View

図表1を見ると、2022年1月に付けた33,000ドルまであと1%程度と、ぎりぎりのポイントまで下値を下げてきていることが分かります。ここを割り込みますと、2021年6-7月に付けた29,000-30,000ドルのサポートラインがターゲットとなりそうです。

直近の値動きで年初来安値を更新しているナスダック総合指数やS&P500は、暗号資産市場よりも下値の拡大が大きいかもしれません。これはFRB(米連邦準備制度理事会)の利上げペース拡大の影響が大きく出ているためだと思います。この影響は世界のマーケット全体に広がっているので、簡単に止まることはないでしょう。

今週も慎重な見方を維持しつつ、中立からやや弱気へと姿勢を変更しようと思います。33,000ドルを割り込むと、ベア相場に切り替えなければならないでしょう。

BTC(ビットコイン)、更なる下落に警戒

【図表2】BTC/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

BTC/JPY日足チャート分析から始めます。

並行チャネルを完全に下抜けしました。2022年の円建て安値375万円付近まで、まだ15%以上の距離がありますが、ドル建てでチャートが崩れてきますと、ストップロスや投げ売り注文も重なって大きく下落するリスクが高くなりそうです。

ドル建てチャートで33,000ドルを割り込めば、一気に3万ドルを目指す展開が予想されます。そのため、円建てで400万円付近(10%の下落)を意識しておかなければならないでしょう。

前回のコラムでは、慎重姿勢として、435-475万円での押し目買い水準をご紹介しました。しかし現状の地合いですと、早々に買ったポジションを手仕舞い、再度400万円手前から買い直さなければならないと予想します。

SMA30もSMA90を下抜けしていきますと、完全に下落トレンド示唆の合図です。MACDも陰転し始めました。テクニカル的に下落トレンド開始のシグナルが揃いそうです。そのため、警戒が必要でしょう。

【図表3】BTC/JPY 4時間足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

4時間足に時間軸を落とします。

前述のシナリオを想定しますと、460-465万円付近にレジスタンスラインが引けます。今度はこの水準に戻り、高値を意識してポジションのカットを意識する展開も想定した方が良いかもしれません(水色矢印のような値動きを想定)。

BTC/USDのチャート形状から、今週は現状より上がったところは売り(目安は直近レジスタンスラインを意識)、再度400万円付近から買い直すイメージの戦略に切り替えが必要になりそうです。

また短期的にBTC/JPYのショート戦略も考えられるでしょう。450-465万円をバックに売り、ストップは480-500万円以上、ターゲットを400万円手前といった短期的なレバレッジトレードは選択肢の1つだと考えます。

ETH(イーサリアム)、並行チャネルを下抜け

【図表4】ETH/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

次にETH/JPY日足分析に切り替えます。

ETHもBTCと同様に並行チャネルを下抜けました。2022年の安値25万円付近まで、下落の余地は大きく残されています。3-4月の買い戻し相場が大きかったこともあり、その反動も大きく出てくるかもしれません。

BTC同様にベア目線は変わりありません。BTC相場に連れる展開を予想しますので、ETHの今後の展開は、BTC/USDの33,000ドルや30,000ドル、BTC/JPYの400万円のサポート次第だと考えています。

BTCと連動して動き、ETHが現在の水準から10%下落した場合を計算しますと、30万円付近が1つの節目となるでしょう。

ここ2-3週間、中立目線で深い押し目買いを警戒する旨をお伝えしていましたが、本日より、「中立」から「やや弱気」に変更したいと思います。下落トレンド入りも視野に今週はより警戒感を高めたいと思います。