クアルコム(QCOM)決算:一株利益は2.57ドルで市場予想を下回る

クアルコムは、ワイヤレス(無線通信)技術の開発・ライセンス供与、モバイル端末向けチップの設計を手掛ける。

主要な特許技術であるCDMA(符号分割多元接続)およびOFDMA(直交周波数分割多元接続)は、3G/4G移動通信システムのバックボーンネットワークとして無線通信の標準技術となっており、保有する知的財産は事実上すべて無線通信機器メーカーとライセンス契約が結ばれている。また、5Gネットワーク・テクノロジーでも市場のリーダー的地位を有する。

同時に、世界最大のワイヤレスチップのベンダーでもあり、高性能モバイルを製造するほぼ全ての企業に最先端のプロセッサーを供給している。また、スマートフォン向けのRFフロントエンドモジュールや自動車やモノのインターネット(IoT)市場向けのチップも提供している。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第2四半期(1月-3月期)実績

★売上高・・・前年同期比41%増の111.6億ドル(市場予想は106億ドル)

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・2.57ドル(市場予想は2.93ドル)

1株利益、売上高とも予想を上回った。第3四半期のガイダンスも公表しており、1株利益、売上高とも予想を上回る見通しを示した。

【図表1】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表2】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

147ドル超えから投資タイミングを図ることになろう。

【図表3】株価5年間チャート
出所:トレードステーション

オーバーストック・ドットコム(OSTK)決算:一株利益は0.23ドルで市場予想を下回る

オーバーストック・ドットコムは、ウェブサイトを通じて製品やサービスを提供するオンライン小売業者である。家具・室内装飾品、ジュエリー、腕時計、アパレル・アクセサリー、書籍、CD、エレクトロニクスなど幅広い商品を扱う。

家庭用品・ガーデニング商品の売上が、全体の売上高の大半を占めている。自社の在庫を販売するダイレクト事業や、メーカー、流通業者、その他サプライヤーからの商品を自社のウェブサイトで販売するパートナー事業を展開している。事業別ではパートナー事業が、地域別では米国が収益の大半を占めている。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第1四半期(1月-3月期)実績

★売上高・・・前年同期比19%減の5.36億ドル(市場予想は5.75億ドル)

★1株当たり利益・・・0.23ドル(市場予想は0.26ドル)

1株利益、売上高とも予想を下回った。

【図表4】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表5】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

オーバーストック・ドットコムは2014年に初めてビットコイン(BTC)を決済手段として導入した大手小売企業でもあり、Eコマースと仮想通貨取り扱いの2つの顔がある。同社株は以下の通りのベアトレンド下にある。今回の不振決算を受け、当面底値模索となろう。

【図表6】株価5年間チャート
出所:トレードステーション

ウエスタンデジタル(WDC)決算:一株利益は1.65ドルで市場予想を上回る

ウェスタンデジタルは、垂直統合モデルで事業を展開するデータストレージソリューションの大手サプライヤーである。

製品は、ハードディスクドライブ(HHD)とソリッドステートドライブ(SSD)の両域にまたがる。HDD市場では、シーゲイトとともに、実質的2社独占状態を形成している。
また、SSD向けNANDフラッシュチップを競合相手のキオクシアと合弁で製造する世界最大手企業でもある。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第3四半期(1月-3月期)実績

★売上高・・・前年同期比5.9%増の43.8億ドル(市場予想は43.1億ドル)

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・1.65ドル(市場予想は1.49ドル)

第4四半期(4月-6月期)ガイダンス

★売上高・・・45.0-47.0億ドル(市場予想は45.9億ドル)

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・1.60-1.90ドル(市場予想は1.68ドル)

売上高、調整済みEPS、粗利率は全て予想を上回った。続く第4四半期の売上高、調整済みEPS、粗利率ガイダンスレンジも全て予想を上回った。

【図表7】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表8】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

猛烈な利上げ観測、悪化するウクライナ危機など悪材料が株式市場を圧迫しており、当面様子見の動きとなりそうだ。

【図表9】株価5年間チャート
出所:トレードステーション

イーライリリー(LLY)決算:一株利益は2.77ドルで市場予想を上回る

イーライリリー・アンド・カンパニーは、神経系疾患、内分泌系疾患、自己免疫疾患、腫瘍性疾患に焦点を当てる医薬品会社である。

主要な医薬品には、がん治療薬のアリムタやベージニオ、糖尿病治療薬のジャディアンス、トルリシティ、ヒューマログ、ヒューマリン、免疫疾患治療薬のトルツやオルミエントなどがある。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第1四半期(1月-3月期)実績

★売上高・・・前年同期比15%増の78.10億ドル(市場予想は74.81億ドル)
      
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・2.77ドル(市場予想は2.36ドル)

2022年度通期ガイダンス

★売上高・・・288-293億ドル(従来予想は278-283億ドル、市場予想は284.3億ドル)

★1株当たり利益(調整後)・・・8.15-8.30ドル(従来予想は8.50-8.65ドル)

1株利益、売上高とも予想を上回った。22年度通年ベースの売上高ガイダンスレンジを引き上げ、予想を上回った。イーライリリーの幹部らは今回の最新結果でチルゼパチド承認に向けた前進が加速し得るとし、今後の道筋を米食品医薬品局(FDA)と協議する計画だと明らかにした。

【図表10】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表11】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

好決算だった。同社のような大型薬品株は現在のような相場環境に適しており、更なる上値追いとなろう。

【図表12】株価5年間チャート
出所:トレードステーション

アトラシアン(TEAM)決算:一株利益は0.47ドルで市場予想を上回る

アトラシアンは、より効率的かつ効果的なチームワークの実現を支援するソフトウェアの製造を手掛ける。プロジェクト企画・管理ソフトウェア、コラボレーション・ツール、およびITヘルプデスクなどのソリューションを提供している。

事業は、サブスクリプション(期間ライセンス、クラウドベースのソフトウェア使用契約)、メインテナンス(主に永久ライセンス製品のサポートや定期更新のための年間メインテナンス契約)、永久ライセンス(一括前払いのソフトウェアの無期限使用契約)、その他(研修、戦略コンサルティング、アトラシアン・マーケットプレイスのアプリ・ストアにおける第三者アプリの販売)の4部門で構成されている。2002年に創立され、本社をオーストラリアのシドニーに置く。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第3四半期(1月-3月期)実績

★売上高・・・前年同期比30%増の7.40億ドル(市場予想は7.01億ドル)

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・0.47ドル(市場予想は0.32ドル)

売上高、調整済みEPSともに予想を上回った。続く第4四半期の売上高ガイダンスレンジも予想を上回ったが、調整済みEPSガイダンスは予想を下回った。

【図表13】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表14】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

決算結果を受け、29日は13%を超す下落となった。当面底値模索の動きとなろう。

【図表15】株価5年間チャート
出所:トレードステーション