今週(4月29日~5月5日)の相場動向
相場回顧 BTC:米FOMCではハト派寄りの発言が好感されるも、前後では乱高下する展開
ビットコインは、アマゾン【AMZN】が2022Q1の決算で7年ぶりに赤字となったことや、米FOMCを前にFRBが大幅な利上げに踏み切るとの懸念が高まったことを受けて、米国株とともに大きく下落した。2日から3日にかけては米国株とともに小幅に反発し、その後、ソラナ(SOL)のブロックチェーンが過剰なトランザクションにより一時停止するなどの問題が起こるなか再び売りが強まったが、BTC=488万円(37500ドル)付近では底堅く推移した。4日には米FOMCで2000年以来となる0.5%の利上げが決定されたが、パウエルFRB議長が当面0.75%の利上げについては慎重な姿勢を示したことで、過度な金融引き締め懸念が後退し、BTC=520万円(40000ドル)付近まで急回復した。一部では、イーロン・マスク氏がツイッター【TW】のプロフィール画像を人気NFTコレクションに変更したことが話題となり、思惑的な買いも入った。しかし、5日には前日の大幅高の反動もあって米国株が大きく下落するなか、同様にビットコインも前日の上昇分を打ち消し、一時BTC=481万円(37000ドル)を割り込んだ。
来週(5月6日~5月12日)の相場予想
BTCはインフレ懸念の高まりによってさらに売りが強まることも、イーロン・マスク氏の発言には要警戒
金融市場では、米FOMCがややハト派寄りの内容となったことで買い安心感が生まれるかに思われたが、ロシア・ウクライナ間の戦争も収束の兆しが見えぬまま、米国金利が上昇するなかで株式と暗号資産ともに不安定な値動きとなっている。このようななか来週は米国の4月消費者物価指数の発表を控えており、さらに伸びが加速した場合にはインフレ懸念の高まりによって売りが強まることも考えられる。
暗号資産市場では、スターバックスによるNFTコレクションの発表や、グッチによる暗号資産決済の導入など大手企業による事業参入の動きは活発だが、DeFi関連のハッキングが頻繁に起こるなどの問題もあり、積極的な買いに動きづらい状況となっている。また、イーロン・マスク氏がツイッター買収騒動のなかで暗号資産やNFTについて発言する機会が増えており、昨年のようにそれによって相場が左右されることもあるため警戒が必要である。
直近上値としてはBTC=520万円(40000ドル)、下値としてはBTC=455万円(35000ドル)を意識する。