【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 32,997.97  ▼1,063.09 (5/5)
NASDAQ: 12,317.69  ▼647.17 (5/5)

1.概況

昨日の米国市場は米連邦準備理事会(FRB)が前日に0.5%の利上げを決めましたがインフレ抑制には十分ではないとの見方から一段の大幅利上げに対する警戒感が高まりハイテク株を中心に売りが出て4日ぶりに大幅反落となりました。206ドル安でスタートしたダウ平均は昼過ぎに1,230ドル安程度まで下落した後一旦下げ渋りましたが、取引終盤に再び下げ幅を広げると一時は1,375ドル安まで下落する場面もありました。その後引けにかけてやや持ち直したダウ平均ですが上値は重く結局1,063ドル安の32,997ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も647ポイント安の12,317ポイントとなり4月29日に付けた年初来安値(12,334ポイント)を更新しています。

2.経済指標等

1-3月期の米労働生産性指数速報値は年率換算で前期比7.5%低下し市場予想も下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでも一般消費財・サービスが6%近く下落したほか、情報技術も5%近く下げています。また、コミュニケーション・サービスも4%余り下落しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄全てが下げました。そのなかでもセールスフォース・ドットコム(CRM)が7%以上下げ下落率トップとなったほか、ナイキ(NKE)とアップル(AAPL)、ホーム・デポ(HD)も5%を超える下落となりました。マイクロソフト(MSFT)とビザ(V)、ボーイング(BA)も4%を上回る下げとなり、ハネウェル・インターナショナル(HON)とアメリカン・エキスプレス(AXP)、シスコシステムズ(CSCO)も4%近く下落しています。

ダウ平均構成銘柄以外では主力ハイテク株の下げが目立ち電気自動車のテスラ(TSLA)が8%を超える下げとなり、動画配信のネットフリックス(NFLX)とアマゾン・ドット・コム(AMZN)も7%を上回る下落となりました。フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(FB)も6%以上下げ、グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)も4%を超える下落となっています。半導体株も安くエヌビディア(NVDA)が7%以上下げ、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が5%を上回る下げとなりました。クアルコム(QCOM)も5%近く下げ、マイクロン・テクノロジー(MU)とテキサス・インスツルメンツ(TXN)も3%以上下落しています。また、米証券取引委員会(SEC)が80社以上の中国企業を上場廃止の警告リストに追加したことで中国の米預託証券(ADR)が軒並み大幅安となりネット通販のJDドットコム(JD)が6%近く下げ、電気自動車のNIO(NIO)も15%余り下げています。一方で決算が市場予想を上回ったことで旅行予約サイトのブッキング・ホールディングス(BKNG)が3%を超える上昇となっています。

5.為替・金利等

長期金利はFRBが金融引き締めを積極的に進めるとの見方から0.11%高い3.04%となりました。ドル円は130円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

ダウ平均は2日にハイテク株に買い戻しが入り84ドル高と反発すると、3日も景気敏感株に買い戻しが入り67ドル高と続伸となりました。さらに4日は米連邦準備理事会(FRB)が米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の0.5%の利上げと保有資産の圧縮の6月開始が決まったものの、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が会見で0.75%の大幅利上げに消極的な姿勢を示したことから932ドル高となり今年最大の上昇となりました。しかし、昨日にハイテク株に売りが出て1,063ドル安となり、4日間トータルでは20ドル高と小幅な上昇に止まりました。また、昨日のナスダック総合株価指数が5%近い下げとなり年初来安値を更新したこともあり本日の日本市場は軟調なスタートが予想されます。こうしたなかで日経平均が下げ渋り一目均衡表の雲の上限(26,748円)を維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)