東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて3日ぶりに反発となりました。152円高の26,743円で寄り付いた日経平均は9時30分過ぎに2円高の26,592円まで上げ幅を縮めましたが、マイナスになることなく踏み止まると再び上げ幅を広げ10時40分過ぎに187円高の26,778円まで上昇し135円高の26,726円で前場を終えました。181円高の26,771円でスタートした後場の日経平均は13時過ぎに218円高の26,808円まで上昇した後上げ幅を縮めると結局109円高の26,700円で取引を終えています。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

富士通(6702)が一時3.9%高となりました。全額出資子会社のスキャナー大手のPFUをリコー(7752)に売却する方針を固めたと伝わったことで事業の選択と集中を好感した買いが入りました。第1四半期の決算を発表したキヤノンマーケティングジャパン(8060)も6.2%高となり年初来高値を更新しました。高付加価値な製品やサービスの構成比率が高まったことなどで通期の営業利益の見通しを405億円から415億円に上方修正したことで買いを集めました。不動産投資のヒューリック(3003)も一時3.3%高となりました。都内のビル中心に高い稼働率が続いたことなどで1-3月期の経常利益が前年同期比約4割増の290億円程度となり第1四半期として過去最高になったと伝わったことで買いが優勢となりました。

一方で住友金属鉱山(5713)が6.8%安となりました。住友金属鉱山で最大規模になる見通しだったインドネシアでのニッケル製錬所建設の検討について中止すると発表し車載電池向けなどで成長が期待されるニッケル関連ビジネスで戦略の練り直しを迫られることになったことで売りが膨らみました。JSR(4185)も3.4%安となりました。2022年3月期の営業利益は需要が好調な半導体材料と医薬品関連事業がけん引し前期比で27.8%増となりましたが、会社計画や市場予想を大きく下回ったことで売りが優勢となりました。また、米長期金利の低下を受けて生保株が安く第一生命ホールディングス(8750)が2.9%安、T&Dホールディングス(8795)も3.5%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は109円高となりました。米長期金利の低下を受けてハイテク株が買われ昨日の米国市場が反発したことで買いが優勢となりました。しかし、昨日までの2日間で1,000円近くも下げたにも関わらず上値は限定的で伸び悩んだといえそうです。決算発表や日銀の金融政策決定会合の結果発表など重要なイベントを控えるなかで明日以降にさらに水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。

なお、本日も引け後にはファナック(6954)やオムロン(6645)、日東電工(6988)、JR東海(9022)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の21時30分には3月の米耐久財受注額が発表されるほか、23時には4月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数や3月の米新築住宅販売件数などが発表される予定です。さらに26日の米国ではマイクロソフト(MSFT)やグーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)、スリーエム(MMM)、テキサス・インスツルメンツ(TXN)などが決算発表を予定しています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)