東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は続落となりました。261円安の26,831円で寄り付いた日経平均は直後に241円安の26,851円までやや持ち直した後下げ幅を広げると11時前に521円安の26,571円まで下落し496円安の26,596円で前場を終えました。468円安の26,624円でスタートした後場の日経平均は下げ幅を縮め大引け間際に286円安の26,806円まで持ち直すと結局293円安の26,799円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
クレディセゾン(8253)が一時22.4%上昇しストップ高となる場面がありました。旧村上ファンド系のシティインデックスイレブンスがクレディセゾン株を5.06%取得したことが明らかになったことで買いを集め年初来高値を更新しました。ユーグレナ(2931)も一時4.6%高となり年初来高値を更新しました。政府が航空分野の脱炭素に向け廃食油や植物などを原料とする再生航空燃料を輸入し供給する体制づくりに乗り出すと伝わったことでミドリムシを原料とする航空機のバイオジェット燃料を手掛けるユーグレナに物色の矛先が向かいました。近鉄グループホールディングス(9041)も3.3%高となり年初来高値を更新しました。傘下の近畿日本鉄道が2023年4月の運賃引き上げに向けて国土交通省に運賃改定を申請したと発表したことで収益の改善を期待した買いが入りました。
一方で日本航空(9201)が一時3.1%安となりました。1月以降の新型コロナウイルスの感染拡大で国内線の旅客需要が想定を大きく下回ったことなどから通期の最終損益の見通しを1460億円の赤字から1770億円の赤字に下方修正したことを嫌気した売りが出ました。大幸薬品(4574)も3.3%安となりました。主力製品のクレベリンの置き型の広告を巡り消費者庁が景品表示法違反に当たるとして再発防止命令を出したことで大幅安となりました。また、投資判断や目標株価の引き下げに反応したのが中古車販売のガリバーなどを展開するIDOM(7599)やコナミホールディングス(9766)で、IDOMが目標株価の引き下げを受けて7.1%安となり、コナミホールディングスは投資判断の引き下げを受けて一時4.1%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は293円安となりました。先週末の米国市場は聖金曜日で休場でしたが時間外の米株価指数先物が下げていたことから売りが優勢となりました。また、米長期金利が日本時間の取引で一段と上昇したこともあって下げ幅を広げ一時は500円以上下げる場面もありました。先週末にサポートとなった25日移動平均線や節目の27,000円を割り込み下げ幅を広げたことから下値への警戒感がやや意識されそうですが、後場に入って下げ渋ったこともあり明日以降の反発に期待したいところです。なお、18日の米国ではバンク・オブ・アメリカ(BAC)の決算発表が予定されています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)