マネックス証券が2021年10月より掲げている新たなブランドビジョン「大切なものに投資をしよう」には、投資の価値を儲けや利益だけではなく、それぞれの未来や夢を実現させるものへと進化させていきたいという思いが込められています。そこで、このビジョンが生まれた背景をより多くの方に理解していただくために、投資を通じて「大切なもの」の実現に向けた未来づくりをサポートするマネックス・アナリスト陣にインタビューを実施しました。

アナリスト陣が考える、「大切なもの」とはどのようなものでしょうか?第3回目はマネックス・ユニバーシティ 暗号資産アナリストの松嶋真倫のインタビューをお届けします。

自分らしい人生を歩むため、スタートアップに参画

――これまでのキャリアに影響を与えた人や出来事を教えていただけますか。

松嶋:私は中学生まで父親の仕事の関係でシンガポールやベトナムなど海外で過ごしました。帰国後も海外を飛び回る父親から大きな影響を受けたように思います。海外で活躍していることが凄いということではなく、意思を持って海外で働くと決め、自分の道を生き、自分にしかできないことをやっている父がカッコいいなと思っていました。

一方で私は、帰国してから周りに合わせて行動する、いわゆる典型的な日本人になっていて、月並みな志望動機で都銀に入社しました。しかし、このまま残っていては父親のような生き方はできないな…と感じ。社会に敷かれたレールに乗って生きていくことへのモヤモヤがあったタイミングで、同期が銀行を辞めて暗号資産ブロックチェーン会社を立ち上げるから一緒にやろうと誘ってくれたんです。そこでスタートアップに飛び込み、暗号資産ブロックチェーンを分析してレポートする活動を始めることになりました。

――都銀という大きな組織から少人数のスタートアップ企業に転職されたということですが、働く環境の違いで何か感じたことはありましたか?

松嶋:決められたルールの中で成果を出さなければならない都銀と違い、ベンチャーでは、そもそもルールがなく、何もない状態から自分で考えて調べ、形にすることが求められます。アウトプットまでの時間が短かったとしても、どうにかする力がついたことはすごく良かったですね。

一方でコロナ禍では、大企業が社員を守る体力や制度を作るまでにどれだけの労力が必要だったのだろうと考える機会がありました。大企業とスタートアップ、どちらがいい悪いではないのですが、大企業に対するものの見方が変わりましたね。

仕事のモットーは、暗号資産を社内外にわかりやすく伝えること

――スタートアップ企業での活動が評価され、2018年末にマネックス証券へ。2020年、ビットコインマーケットが一気に盛り上がりをみせる中、2021年には松嶋さんは専門性を活かした‟​暗号資産アナリスト”として活躍の幅を広げていますね。

松嶋:暗号資産の知識は、人によってまったく違います。ですので、私は相手のレベルに合わせて暗号資産投資を社外だけでなく、社内にも発信・啓蒙する立場を担っています。

私は暗号資産アナリストとして、ものすごく速いスピードで発展していく暗号資産やブロックチェーンを、一次情報からあたり、日々キャッチアップしながら、今後の流れを予測するのが楽しいと思っています。

――仕事をする上で、モチベーションとなっていることは何ですか。

松嶋:銀行時代から、レポートの構成力や文章力を評価してもらうことが少なくありませんでした。専門知識とレポート力を武器に書き上げ、発信した情報が多くの方々に読んでもらえることが仕事における大きなモチベーションになっています。

また、社内外の様々な経験を持つ方々と話し、共に仕事をすることで視野が広がっていくところに面白さを感じています。幸いなことに、皆さんから得たことをアウトプットできる環境にあるので、私が発信した情報を読んだ方々の資産形成に少しでも役立つのであれば、こんなに嬉しいことはありません。

人生を豊かにするのが投資。でも、お金に支配されてはいけない

――松嶋さんが人生において大切にしていることについて教えてください。

松嶋:人とのつながりですね。働くこととは、誰かと共に社会に生きる、共生だと思うんです。父親の人生を見ていても、生涯をかけてどれだけ多くの人とつながりを作れるかが一番重要だと感じました。

また、定期的に、自分に変化を起こすことは、楽しい人生を送る上で欠かせません。仕事でもプライベートでも、変化がない生き方はしたくありません。そのため、小さいことですが、例えばこれまでやったことのないサーフィンや山登りに挑戦するなど、常に何か面白いことはないかと探すようにしています。

身近にいる活気あふれた魅力的な人は見た目も若いので、私も酵素風呂やサウナに入ったり、エステサロンに行ったりするなど、健康や美容も意識しています。単純にきれいになれるのが嬉しい、というのもありますが(笑)。

仕事を充実させ、プライベートでは自分が好きなことにお金を使い、人生を豊かに過ごしていく。それこそが‟投資”だと考えています。お金も時間も、投資で得られることが大きいほど人生が豊かになります。どうしたらそれを得られるのか、どのように自分の人生を豊かにしていけるのか、歯を食いしばりながらも、考え続けることが大切だと思います。ただ、お金は‟誘惑”でもあります。その誘惑に負け、お金に支配されてはいけないとも肝に銘じています。