暗号資産は上昇トレンドの雰囲気から一転、押し目が深くなってきました。しかし、私はこの下落に少々疑問を感じています。
どちらかと言うと、BTC(ビットコイン)のほうが下落しており、ETH(イーサリアム)が最も踏ん張っている状況です。
図表1は暗号資産市場に対して、ETHが占める割合を示しています。こちらを見ると、3月あたりから再び上昇傾向にあることが分かります。マーケットの約20%がETHとなっており、シェアが再び拡大している状況です。
一方、BTCのドミナンスを3月ごろと比較すると、44%→41.8%と徐々に減少しているため、資金がBTCからETHに流れているように感じます。
暗号資産全体の時価総額は減少傾向にあります。その中でもETHはシェアを伸ばしているので、比較的、下落率が低いと考えられます。引き続きこの傾向が続くのか注視しましょう。
BTC(ビットコイン)、525万円が正念場
BTC/JPY日足チャート分析から始めます。
下降トレンドラインを右方向に抜けてしばらく推移し、525-530万円のレジスタンスラインを突破し、大きく反転の傾向を見せました。しかし、現在525万円の水準まで押し目を形成し始めました。
本来ならここで買いを入れたいところですが、よく見ると、この水準で3-4日程度推移しています。つまり、このサポートラインで買いを狙っていた投資家が既に買い終えている可能性が高く、市場の買いオーダーが残っている可能性が低そうです。そのため、次の下落で売り押されてサポートラインを割り込んでしまう可能性があります。
SMA30の1ヶ月移動平均線にもタッチしており、条件は整っていますが、私はやや懐疑的に見ています。
もう一段深い押し目を狙うとしたらSMA90になります。おおよそ480-500万円からのエントリーを狙っていく方向に切り替えても良いかもしれません。
持っているポジションが多すぎる場合は調整し、一度、この水準で縮小することも戦略として考えられます。
ETH(イーサリアム)は天井圏でのもみ合いか
ETH/JPY日足分析に移ります。
先週からの安値をまだ更新していない状況です。調整と言うよりは、天井圏でのもみ合いという表現のほうが相応しいのではないかと思います。
前回コラム更新時と変わらず、サポートラインは38万円付近(図表3の黄緑色)で考えています。BTCが525万円を割れて500万円付近に差し掛かった頃に、ETHがようやくこの水準に到達するのではないでしょうか。
MACDはデッドクロスを始めて5営業日ほど経過していますが、価格帯をキープしていることを考えますと、失敗パターンの可能性も高いと思います。私は今週もETH主体でトレードしていく方が良いのではないかと考えています。
では、4時間足で詳細を見ていきましょう。
4時間足分析です。ヘッドアンドショルダーを形成中で、ネックラインが38万円台になります。ここを割り込みますと、もう一段安が待っていると思います。しかし、BTCが既に安値を少しずつ切り下げていることを考えますと、ETHの下値は限定的かもしれません。今週もこの水準からの買い指値注文で対応していきたいと思います。
直近安値を割り込んだとしてもMACDがダイバージェンスになる可能性が高いので、ネックライン近辺では押し目買いのチャンスとなるかもしれません。
ネックラインを割り込んだのち、下ヒゲで戻すようなことがあれば、ブレイクアウトがダマシとなるため、上昇して高値を切り上げた場合、ショートカバーも合わせて上昇トレンドにつながりそうです。私はこの値動きに期待をして、BTCの比率を落とし、ETH中心のポートフォリオに切り替えていきたいと思います。
2021年、ETHは4月ごろから上昇を始め、BTCの上昇率を大きく上回りました。私は2022年もこの時期のETHの上昇トレンドに期待しつつ、ETH中心のトレードを考えています。