東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて3日ぶりに反発しました。208円高の27,097円で寄り付いた日経平均は取引開始から5分余りで296円高の27,185円まで上昇しましたが、上げ幅を縮めると10時20分過ぎにマイナスに転じ11時過ぎに124円安の26,764円まで下落し68円安の26,820円で前場を終えました。やや持ち直し7円安の26,880円でスタートした後場の日経平均はしばらく昨日の終値を挟んで小幅に揉み合いました。しかし、引けにかけて買いが優勢になると結局97円高の26,985円で取引を終えています。こうしたなか新興株も堅調で東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

東芝(6502)が一時3.5%高となりました。株式非公開化を含む戦略的選択肢の検討に向けた特別委員会を設置すると発表したことでTOB(株式公開買い付け)などを期待した買いが入りました。ニコン(7731)も7.5%高となりました。自己株式を除く発行済み株式総数の9.8%にあたる3600万株と300億円を上限とする自己株買いを発表したことで買いを集めました。本決算を発表したウエルシアホールディングス(3141)も3.0%高となりました。調剤の伸びや化粧品の復調が見込まれることから前期の実績を上回る2023年2月の営業利益の見通しを発表したことが好感されました。また、西松屋チェーン(7545)が目標株価の引き上げが相次いだことで3.1%高となり年初来高値を更新しています。一方で検体検査機器大手のシスメックス(6869)は目標株価の引き下げを受けて4.8%安となっています。

さらに本決算を発表したセブン&アイ・ホールディングス(3382)も3.4%安となりました。買収が完了した米ガソリンスタンド併設型コンビニ大手のスピードウェイとのシナジー効果によって海外コンビニ事業の収益向上が寄与することなどから2023年2月期の営業利益が前期比10.9%増の4300億円となる見通しを発表しましたが、市場予想に届かなかったことで売りが優勢となりました。高島屋(8233)も一時5.5%安となりました。年明け以降の新型コロナウイルスの感染再拡大で百貨店の客足が想定を下回ったことなどから2022年2月期の営業利益の見通しを60億円から41億円に下方修正したことを嫌気した売りが出ました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は97円高となりました。ディフェンシブ銘柄に買いが入り昨日の米国市場が反発したことや、昨日、一昨日と大きく下げた反動もあり買いが優勢となりました。朝方の買い一巡後に伸び悩むとマイナスとなる場面もありましたが、25日移動平均線(26,777円)を小幅に下回ったところで押し目買いが入り下げ渋ると後場に入って持ち直しました。しかし、一時マイナスとなったうえ、昨日までの2日間で900円近くも下げた割に引けが小幅な上昇に止まったことから上値の重さが強く意識されそうです。なお、2月決算企業の本決算発表が続いていますが、本日も引け後に安川電機(6506)やイオン(8267)が決算を発表する予定で、安川電機は今月の下旬からスタートする3月決算企業の決算発表を占ううえで注目を集めそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)