東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株安を受けて続落となりました。217円安の27,809円で寄り付いた日経平均は取引開始から5分で263円安の27,763円まで下落した後持ち直すと10時過ぎにプラスに転じ10時30分過ぎに74円高の28,101円まで上昇しましたが、伸び悩むと再びマイナスとなり49円安の27,977円で前場を終えました。113円安の27,913円でスタートした後場の日経平均は13時20分に56円安の27,970円まで戻した後14時40分過ぎに219円安の27,808円まで下落すると結局205円安の27,821円で取引を終えています。一方で新興市場は堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

本決算を発表した西松屋チェーン(7545)が6.3%高となりました。高採算のプライベートブランド(PB)商品の伸びで円安による仕入れコストの上昇を補い2022年2月期の営業利益が小幅ながら増益を確保し最高益となったほか、ECサイトを中心にネット販売の比率を高めることなどで今期も最高益となる見通しを発表したことから大幅高となりました。新電力大手のイーレックス(9517)も3.9%高となりました。ベトナムで2035年までにバイオマス発電所を20基以上新設すると伝わったことが材料視されました。また、配当落ちの影響や持ち高解消の売りで昨日に大幅安となった大手海運3社に押し目買いが入り、日本郵船(9101)が5.9%高となったほか、商船三井(9104)が4.4%高、川崎汽船(9107)も6.6%高となりました。

東証2部市場ではバイク王&カンパニー(3377)が15.1%上昇しストップ高となりました。既存店の販売力強化や通信販売の強化によってリテール販売が好調に推移していることから通期の業績見通しを上方修正したことで買いを集めました。

一方でクスリのアオキホールディングス(3549)が6.5%安となりました。チラシ配布などを強化したことで販売管理費が増えたことや原材料高に伴う各メーカーの値上げで仕入れコストが増えたこともあり第3四半期の営業利益が前年同期の水準を下回ったことで大幅安となりました。アイ・アールジャパンホールディングス(6035)も5.2%安となりました。株主対応やM&Aに関連する助言業務などの一部が今期に収益計上できなくなったことに加え、成功報酬が当初想定を下回る案件が出てきたことなどから通期の業績予想を下方修正したことで売りが膨らみました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は205円安となりました。ロシアとウクライナの停戦交渉への期待が後退し昨日の米国市場が反落となったことで売りが優勢となりましたが、米政権がインフレ対応策として石油備蓄を数カ月にわたり放出すると伝わったこともあって朝方の売り一巡後に持ち直し小幅にプラスとなる場面もありました。しかし、中国の3月の製造業購買担当者景気指数(PMI)が前月から悪化し好不況の境目となる50を5カ月ぶりに下回ったこともあってマイナスに転じると後場に入り再び下げ幅を広げました。こうしたなかで明日から新年度入りとなります。4月は海外投資家が買い越す特異月であることからさらに戻りを試すような相場展開に期待したいところです。

なお、今週から小売り企業を中心とした2月決算企業の本決算発表がスタートしていますが本日も引け後にニトリホールディングス(9843)が決算を発表する予定です。また、日本時間の21時30分には米新規失業保険申請件数と2月の米個人所得・個人消費支出(PCE)が発表されるほか、22時45分には3月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)