先週、米国株式市場は上昇。ハイテク銘柄が牽引

先週の米国株式市場の上げは非常に印象的なものでした。S&P500は1週間で6.16%、ナスダック総合は8.1%上昇しました。

S&P500は先週月曜日(3月14日)に一時的に4,200ポイントを割ったものの、その後4日連続で1%以上の上げを続け、最終的に1週間で6.16%上昇しました。1週間の上げとしては2020年11月来の高い上昇率です。

ナスダック100についても、先週月曜日(3月14日)に2月24日の下値抵抗線となった13,000ドルレベルでリバウンドしました。その後4日連続で1%以上の上げを演じ、1週間で8.41%の上げとなりました。こちらは2020年3月来の高い上昇率となっています。

相場を牽引したのは、アマゾン(AMZN)、メタ(FB)、エヌビディア(NVDA)などを中心とするハイテク銘柄でした。

AAII(米国個人投資家協会)のブルベアレシオも歴史的にみて非常に弱気のレンジにあり、前回のコラムで紹介した通りVIX指数で見た投資家のセンチメントも最悪な状況にあります。そのような中、投資家が2021年から懸念していた利上げも無事実施され、マーケットはリリーフ・ラリー(安堵感からの相場上昇)を演じました。先週の上げにより、これまでマイナスだった3月のパフォーマンスは、S&P500 2.04%、ナスダック100は1.28%とそれぞれプラスに転じました。

米国株のアノマリーが示唆するもの

投資家のセンチメントが最悪期にある中で、これまでの大抵の悪いニュースは織り込んだのだと考えられるものの、これでマーケットが底をつけたと断言することはできません。

その一方、先週の上げで注目に値するイベントが起きています。先週S&P500は4日連続で1%以上、上昇したとお伝えしました。1946年からS&P500が52週の安値から3日連続で1%以上、上昇したのはこれまでで15回しかありません。1年後は80%の確率で平均14.57%上昇しています。中央値では19.67%上げです。4日連続はとても稀なことで、1970年5月と、1974年10月の2回だけなのです。1年後のそれぞれのリターンは30%、26%の上げとなっています。

マーケットの行方は誰にも分かりません。ただ、このようなアノマリーも軽視できないのではないでしょうか。