東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株高を受けて5日続伸となりました。日経平均は3円安の26,649円で寄り付くと直後に59円安の26,592円まで下落した後切り返すとプラスに転じ9時10分に136円高の26,789円まで上昇しましたが、伸び悩むと再びマイナスとなり10時過ぎに33円安の26,619円まで下落しました。しかし、下げ渋ると持ち直し71円高の26,724円で前場を終えました。30円高の26,683円でスタートした後場の日経平均は12時40分過ぎに3円高の26,656円まで上げ幅を縮めましたが、マイナスになることなく踏み止まると上げ幅を広げ大引け間際に209円高の26,862円まで上昇し結局174円高の26,827円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も高く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。
2.個別銘柄等
銅や金などの価格上昇を受けて非鉄株に大きく上げるものが目立ちました。住友金属鉱山(5713)が4.2%高となったほか、三井金属鉱業(5706)が5.8%高、東邦亜鉛(5707)が8.1%高、DOWAホールディングス(5714)も5.1%高となりました。エイチ・アイ・エス(9603)も7.3%高となりました。世界的な新型コロナウイルスの拡大を受け各国が入国制限や渡航制限を継続しており海外旅行事業の取扱高低迷が続いたことなどで第1四半期の営業損益は121億円の赤字となりましたが市場予想ほど赤字が膨らまなかったこともあって買いが優勢となりました。再生エネルギー関連のレノバ(9519)も18.4%高となりました。萩生田経済産業相が洋上風力発電の今後の公募では価格だけでなく早期の導入が可能かどうかという点でも評価する方針に切り替えるとの認識を示すなか、売電価格の高さがネックとなり2021年末に秋田県由利本荘市沖の洋上風力案件の公募・入札で落選したレノバが買われました。ネット通販サービスのバイマを運営するエニグモ(3665)も自己株式を除く発行済株式総数の6%に当たる250万株と15億円を上限とする自社株買いを発表したことで7.0%高となっています。
一方でトヨタ(7203)が一時2.0%安となりました。半導体不足の影響が続いており4月の世界生産台数について約75万台と従来計画から15万台減産すると発表したことで売りが優勢となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は174円高となりました。ロシアの外貨建て国債の利払いが実施されたと伝わりロシアの債務不履行(デフォルト)への懸念が後退したことで昨日の米国市場が大幅続伸となったことで買いが優勢となりましたが、昨日に900円近い上昇となり、昨日までの4日間で1,500円近く上げていたこともあって小幅にマイナスとなる場面もありました。しかし、3連休前でもあるにも関わらずマイナスとなる場面で底堅さをみせたうえ、引けにかけて上げ幅を広げる展開となったことから調整一巡への期待がさらに高まりそうで、こうしたなかで連休明け以降に節目の27,000円を試すような展開がみられるかがポイントとなりそうです。なお、日本時間の23時には2月の米中古住宅販売件数と2月の米景気先行指標総合指数が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)