【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 33,174.07  ▼112.18 (3/10)
NASDAQ: 13,129.96  ▼125.58 (3/10)

1.概況

米国市場は米消費者物価指数が高い伸びとなったことやロシアとウクライナの外相会談に進展がみられなかったことなどが嫌気され反落となりました。179ドル安でスタートしたダウ平均は昼前に466ドル安まで下落した後午後に入って下げ幅を縮めると取引終盤に49ドル安まで持ち直しましたが、戻し切れないと引けにかけてやや下げ幅を広げ結局112ドル安の33,174ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も125ポイント安の13,129ポイントとなっています。

2.経済指標等

2月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比7.9%上昇し1982年1月以来約40年ぶりの高い伸びとなりましたが市場予想とは一致しています。先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万1000件増の22万7000件となり市場予想を上回る悪化となりました。2月の米財政収支は2170億ドルの赤字となっています。また、欧州中央銀行(ECB)は理事会で政策金利の据え置きを決めました。しかし、量的緩和政策の縮小を加速させ早ければ量的緩和政策を7-9月に終了させるとしています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち情報技術や生活必需品、金融などの6業種が下げ、情報技術が2%近く下落したうえ、生活必需品も1%近く下げています。一方でエネルギーや一般消費財・サービス、公益事業などの5業種が上げ、エネルギーが3%高となったほか、一般消費財・サービスも1%以上上昇しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではアップル(AAPL)とプロクター・アンド・ギャンブル(PG)、シスコシステムズ(CSCO)、インテル(INTC)が2%を超える下落となり、アムジェン(AMGN)も2%近く下げました。一方でシェブロン(CVX)とウォルマート(WMT)が2%を超える上昇となっています。

ダウ平均構成銘柄以外ではアマゾン・ドット・コム(AMZN)が株式分割と自社株買いの拡大を発表したことで5%を上回る上昇となりました。情報セキュリティー対策サービスのクラウドストライク・ホールディングス(CRWD)も決算で売上高が市場予想を上回ったことで12%以上上げたほか、非鉄大手のアルコア(AA)も目標株価の引き上げを受けて4%を超える上昇となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.04%高い1.99%となりました。ドル円は116円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の売り一巡後に下げ渋るような動きをみせるかがポイントとなりそうです。また、本日は3ヶ月に一度のメジャーSQで寄り付きの動向が注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)