【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 33,286.25 △653.61 (3/9)
NASDAQ: 13,255.55 △459.99 (3/9)
1.概況
米国市場はアラブ首長国連邦(UAE)がOPEC加盟国に原油の増産を促していると伝わり原油価格が大幅安となったことでインフレ懸念が後退し5日ぶりに大幅反発となりました。227ドル高でスタートしたダウ平均は昼過ぎに800ドル高余りまで上昇した後一旦伸び悩み600ドル高程度まで弱含みましたが、取引終盤に再び上げ幅を広げると一時は824ドル高まで上昇しました。その後引けにかけて上げ幅を縮めたダウ平均ですが結局653ドル高の33,286ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も459ポイント高の13,255ポイントとなり3%を超える上昇となっています。
2.経済指標等
主要な経済指標の発表はありませんでした。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が上げ、情報技術が4%近く上昇し、金融とコミュニケーション・サービス、素材も3%以上上げました。一方でエネルギーと公益事業の2業種が下げ、エネルギーは3%を超える下落となりました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中26銘柄が上げました。そのなかでもセールスフォース・ドットコム(CRM)が6%近く上げ上昇率トップとなったほか、アメリカン・エキスプレス(AXP)も5%を超える上昇となりました。また、ナイキ(NKE)とマイクロソフト(MSFT)、ビザ(V)、JPモルガン・チェース(JPM)も4%以上上げ、ゴールドマン・サックス(GS)も4%近く上昇しています。一方で原油価格の下落を受けてシェブロン(CVX)が2%以上下げ下落率トップとなっています。
平均構成銘柄以外では、主力ハイテク株の上昇が目立ちグーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)と動画配信のネットフリックス(NFLX)が5%近く上げ、フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(FB)と電気自動車のテスラ(TSLA)も4%を超える上昇となりました。半導体株も高くエヌビディア(NVDA)が7%近く上げ、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も5%を超える上昇となっています。クアルコム(QCOM)とウエスタンデジタル(WDC)も4%以上上げています。さらにバイデン米政権がデジタル通貨分野で初の国家戦略をまとめたことを受けてビットコインなど仮想通貨が大きく上昇したことから仮想通貨交換業者のコインベース(COIN)が10%を上回る上昇となり、ビットコインの取引を手掛けるブロック(SQ)も11%以上上げています。
5.為替・金利等
長期金利は米国株高を受けて安全資産とされる米国債に売りが出て0.10%高い1.95%となりました。ドル円は115円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて大きく上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の25,000円を大きく超えてきそうでどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)