東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株安を受けて大幅に3日続落となりました。247円安の24,974円と節目の25,000円を割り込んで寄り付いた日経平均は直後に331円安の24,890円まで下落した後持ち直すと10時10分過ぎにプラスに転じましたが、69円高の25,291円で伸び悩むとマイナスとなり再び下げ幅を広げました。77円安の25,143円で前場を終えた日経平均は179円安の25,041円で後場の取引をスタートさせると大引け間際に454円安の24,767円まで下落し結局430円安の24,790円で取引を終え昨年来安値を更新しています。こうしたなか新興市場も安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落し、日経ジャスダック平均は昨日に続いて昨年来安値を更新しています。
2.個別銘柄等
日産(7201)が5.5%安となり昨年来安値を更新しました。ロシアのサンクトペテルブルク工場の稼働を近日中に停止すると発表したことが嫌気されました。また、トラックとバスのエンジンにおける排出ガスのデータ改ざん問題で昨日にストップ安となった日野自動車(7205)は投資判断と目標株価の引き下げもあって本日も売りが止まらず12.2%安となり昨年来安値を連日で更新しています。投資判断や目標株価の引き下げを受けて大同特殊鋼(5471)や共英製鋼(5440)も安く、大同特殊鋼が投資判断と目標株価の引き下げを受けて7.5%安となり昨年来安値を付け、共英製鋼も投資判断の引き下げを受けて12.1%安となっています。
さらに原油価格の急騰を受けて昨日に大幅高となったINPEX(1605)や出光興産(5019)などがドイツのショルツ首相がロシアとのエネルギー供給分野でのビジネスを続ける決断をしていると述べたこともあって安く、INPEXが6.1%安、出光興産も8.2%安となりました。大手商社株も下げが目立ち丸紅(8002)と住友商事(8053)が5%を超える下落となり、三井物産(8031)と三菱商事(8058)も4%以上下げています。
一方で投資判断や目標株価の引き上げを受けてSansan(4443)やNIPPON EXPRESSホールディングス(9147)が高く、Sansanが投資判断の引き上げを受けて3.8%高となり、NIPPON EXPRESSホールディングスも目標株価の引き上げを受けて一時4.6%高となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は430円安となりました。原油価格の急騰による世界経済の減速が懸念され昨日の米国市場が大幅続落となったことで売りが優勢となりました。昨日までの2日間で1,300円以上も下げていたこともあって押し目買いが入り朝方の売り一巡後に下げ渋りプラスとなる場面もありましたが、上値は重く伸び悩むと後場に入って再び下げ幅を広げました。節目の25,000円を割り込み昨日に続いて昨年来安値を更新したことから下値への警戒感がさらに高まりますが、3日間で1,800円近く下げていることや25日移動平均線との乖離率もマイナス7.5%まで開き短期的に売られ過ぎとなっていることもあって明日以降の自律反発に期待したいところです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)