バリュー優位からグロース優位になるか

図表は、TOPIXのグロース指数をバリュー指数で割った日次の相対チャート(青色の線)です。相対チャートが上昇すればグロース優位、相対チャートが低下すればバリュー優位と判断します。

【図表】グロース・バリュー相対チャート(日次ベース、2018/1/4~2022/2/21)
出所:QUICK Astra ManagerよりDZHフィナンシャルリサーチが作成

こうしてみると、2020年12月からバリュー優位が始まり、現在も75日移動平均線(オレンジ色)の傾きと共に、バリュー優位のトレンドが続いていることがわかります。一方、下方のグラフ(赤色の線)は相対チャートの75日移動平均線からのかい離率を示したものです。

2月21日現在、マイナス9.8%と過去にバリュー優位からグロース優位に転換した2021年3月9日のマイナス10.3%に近い水準までマイナスかい離率が広がっています。平均回帰の習性から考えると、まもなく指数は上向きに変わる、つまり、短期的にはグロース優位になっていく可能性が高いと判断できそうです。

押し目買いが気になる3銘柄

そこで、東証1部全銘柄を対象に、年初から2月18日現在の下落率ランキングをみると、下落率1位のグレイステクノロジー(6541)を除き、30%以上下落しているのが50銘柄あります。そのうち、時価総額1兆円以上が以下の4銘柄。下落率の大きい順に示すと、シスメックス(6869)の44.5%、レーザーテック(6920)の39.2%、リクルートホールディングス(6098)の32.2%、オムロン(6645)の30.1%となります。

グロース株といえるかどうか微妙な銘柄もありますが、少なくとも高PERであり、低PBR銘柄ではありません。しかしながら、時価総額が1兆円を超える大企業の株価が短期間でここまで下げると、押し目買いの機会を狙いたいものです。

前回のコラムで解説した、チャート上の過去の足跡である「フシ」を長い期間で振り返ると、将来のヒントがあるかもしれません。

シスメックスは今回の下落によって2020年4月までのモミ合い上限のフシまで調整、リクルートホールディングスは2018年2月高値のフシまで調整、オムロンは2018年1月高値のフシまで調整しました。なお、レーザーテックは2020年以前のフシとなりえる高値がなく、割愛します。

まもなくバリュー優位からグロース優位に変わるとすれば、上記で示した3銘柄はリバウンド妙味に適した水準まで下げた可能性が高いとみられます。