東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて3日ぶりに大幅反発となりました。403円高の27,269円で寄り付いた日経平均は取引開始から20分弱で585円高の27,450円まで上昇した後伸び悩みましたが大きく押すことなく堅調に推移すると562円高の27,428円で前場を終えました。

564円高の27,429円でスタートした後場の日経平均は大引け間際に620円高の27,486円まで上昇するなど引き続き高値圏で推移すると結局595円高の27,460円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も堅調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

2021年12月期の決算を発表したアサヒグループホールディングス(2502)が4.9%高となりました。2022年12月期の本業のもうけを示す事業利益が前期比で10.1%増となる見通しを示したことや、稼働率が低下していた工場閉鎖で固定費を圧縮するため傘下のアサヒビールの神奈川工場と四国工場の操業を2023年1月に終えると発表したことで買いを集めました。

同じく2021年12月期の決算を発表したブリヂストン(5108)やユニ・チャーム(8113)も高く、ブリヂストンは2022年12月期の調整後営業利益が前期比7.8%増となる見通しを発表したことや自己株式を除く発行済み株式数の3.5%にあたる2500万株と1000億円を上限とする自社株買いを発表したこともあって7.4%高となりました。ユニ・チャームも原材料コストの高騰や物流費の高止まりなどの費用増加を海外の増収効果で吸収し2022年12月期のコア営業利益が前期比で3.7%増となる見通しを発表したことで一時6.1%高となっています。

また、昨日の米国市場で主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が5%を超える上昇となったことから東京エレクトロン(8035)やSCREENホールディングス(7735)、アドバンテスト(6857)などが高く、東京エレクトロンが4.9%高、SCREENホールディングスが4.5%高、アドバンテストも4.8%高となりました。一方で2021年12月期の決算を発表した山崎製パン(2212)が6.7%安となりました。2022年12月期の営業利益が前期比で30.7%増となる見通しを発表しましたが、市場予想に届かなかったことで売りが膨らみました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は595円高となりました。ロシアがウクライナ国境付近からの軍隊の一部撤収を発表したことでウクライナ情勢への警戒感が後退し昨日の米国市場が反発したことで大幅高となりました。600円近い上昇となったことで下値への警戒感は一旦後退しそうですが、こうしたなかで本日に上値抵抗線となった25日移動平均線(27,474円)を超えて明日以降さらに水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。

なお、日本時間の17日午前4時に1月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が公表されます。年内の利上げペースや保有資産の縮小(QT)などを巡りどのような議論が交わされたかなどに関心が集まりそうでマーケットの反応が注目されます。また、本日の22時30分には1月の米小売売上高が発表されるほか、23時15分には1月の米鉱工業生産指数と設備稼働率が発表される予定です。さらに16日の米国ではエヌビディア(NVDA)やアプライドマテリアルズ(AMAT)、シスコシステムズ(CSCO)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)