【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,988.84  △422.67 (2/15)
NASDAQ: 14,139.76  △348.84 (2/15)

1.概況

米国市場はロシアがウクライナ国境付近からの軍隊の一部撤収を発表したことでウクライナ情勢への警戒感が後退し4日ぶりに反発しました。120ドル高でスタートしたダウ平均は朝方に481ドル高まで上昇した後伸び悩みましたが一日を通して堅調に推移すると結局422ドル高の34,988ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も348ポイント高の14,139ポイントとなっています。

2.経済指標等

1月の米卸売物価指数(PPI)は前年同月比9.7%上昇し市場予想を上回りました。また、2月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数は3.1と前月のマイナス0.7から上昇しプラスに転じましたが市場予想を大きく下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が上げ、情報技術が3%近く上昇し、一般消費財・サービスも2%余り上げました。素材と資本財・サービス、金融、コミュニケーション・サービス、ヘルスケアも1%以上上昇しています。一方でエネルギーと公益事業の2業種が下げ、エネルギーは1%を超える下落となりました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中26銘柄が上げました。そのなかでもセールスフォース・ドットコム(CRM)が4%近く上昇し、ボーイング(BA)も3%以上上げました。アメリカン・エキスプレス(AXP)とナイキ(NKE)も3%近く上昇し、ウォルト・ディズニー(DIS)とアップル(AAPL)、シスコシステムズ(CSCO)も2%以上上げています。一方でシェブロン(CVX)とスリーエム(MMM)、IBM(IBM)、アムジェン(AMGN)が小幅に下げています。

ダウ平均構成銘柄以外では半導体関連株が高く、半導体製造装置のアプライドマテリアルズ(AMAT)とKLA(KLAC)が6%以上上げたほか、半導体株では16日に決算発表を控えるエヌビディア(NVDA)が決算への期待から9%余り上げ、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)とマイクロン・テクノロジー(MU)も6%を超える上昇となりました。ウエスタンデジタル(WDC)も5%以上上げ、クアルコム(QCOM)も4%を上回る上昇となっています。

また、地政学リスクの後退を受けて旅行・レジャー株が高く空運株ではアメリカン航空グループ(AAL)が8%余り上げ、ユナイテッド航空ホールディングス(UAL)も7%を超える上昇となりました。デルタ航空(DAL)も6%高となっています。クルーズ船ではノルウェージャン・クルーズライン・ホールディングス(NCLH)が7%近く上げ、カーニバル(CCL)も6%以上上昇しています。さらにホテルチェーン最大手のマリオット・インターナショナル(MAR)は決算で売上高などが市場予想を上回ったことで6%近く上げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.05%高い2.04%となりました。ドル円は115円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて大きく上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の27,500円を試すような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)