東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて3日続伸となりました。238円高の27,818円で寄り付いた日経平均は取引開始から30分余りで300円高の27,880円まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むと上げ幅を縮め前引け間際にマイナスに転じました。しかし、4円安の27,575円で下げ渋ると18円高の27,598円で前場を終えました。53円高の27,633円でスタートした後場の日経平均は直後に39円高の27,619円までやや弱含んだ後上げ幅を広げると大引け間際に135円高の27,715円まで上昇し結局116円高の27,696円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も高く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。

2.個別銘柄等

本決算を発表した12月決算銘柄に大きく上げるものがみられました。ルネサスエレクトロニクス(6723)は自動車の生産回復などで車載半導体が伸びたうえ、ファクトリーオートメーションやデータセンター向けの産業用も堅調で2021年12月期の営業利益が前期比2.8倍となったことで7.7%高となり、SUMCO(3436)もシリコンウエハー需給のタイトな状況が続くとの見方から第1四半期の営業利益が市場予想を上回る前年同期比2.2倍の210億円となる見通しを発表したことから4.1%高となりました。

また、第3四半期決算を発表し通期の業績予想を上方修正した3月決算銘柄にも大幅高となるものがみられました。ホンダ(7267)は品質関連費用やその他の費用の減少に加えて販売奨励金の抑制で採算が改善することなどから通期の営業利益の見通しを6600億円から8000億円に引き上げ減益予想が一転して増益予想となったことから一時7.7%高となり昨年来高値を更新し、フジクラ(5803)も主力市場の米国でデータセンターなど向けの高機能通信ケーブルが伸びていることや巣ごもり需要の継続でスマホなどに使う電子部品の引き合いも強いことから通期の営業利益の見通しを300億円から320億円に引き上げたことで8.6%高となりました。

一方で第3四半期決算を発表したヤマトホールディングス(9064)が12.1%安となり昨年来安値を更新しました。荷物の小型化などで単価が下落していることや人手不足で配送の外部委託費も膨らむことなどから通期の営業利益の見通しを950億円から700億円に下方修正したことで売りが膨らみました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は116円高となりました。昨日の米国市場が長期金利の低下を受けてハイテク株に買いが入り続伸となったことから買いが優勢となりました。しかし、一時300円高となったものの3連休前ということや、金融政策の先行きを見極める上でマーケットの関心が高い1月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えていることもあって積極的に上値を追う買いは限定的で伸び悩むとわずかにマイナスとなる場面もありました。その米CPIは日本時間の22時30分に発表となります。仮に市場予想を上回る高い伸びとなれば米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締め観測が一段と強まる可能性もありますが、日経平均が25日移動平均線(27,625円)を超えてきたこともあって米CPIを無難に通過すれば週明け以降に一段高といった展開も期待できそうです。なお、決算発表も終盤ですが本日も引け後にいすゞ(7202)や東京エレクトロン(8035)、三菱地所(8802)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)