東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は5日ぶりに反落となりました。202円安の27,330円で寄り付いた日経平均は10時過ぎに347円安の27,185円まで下落した後10時40分過ぎに221円安の27,311円まで戻しましたが、上値は重く再び下げ幅を広げると11時過ぎに367円安の27,165円まで下落し305円安の27,227円で前場を終えました。
299円安の27,234円でスタートした後場の日経平均は27,200円台で推移すると結局292円安の27,241円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落し、東証マザーズ指数は4.1%安となっています。
2.個別銘柄等
昨日の引け後に第3四半期決算を発表したソニーグループ(6758)やパナソニック(6752)、エムスリー(2413)が大幅安となりました。ソニーグループは映画事業などが好調で通期の営業利益の見通しを1兆400億円から1兆2000億円に上方修正しましたが、半導体不足によりゲーム機「プレイステーション5」の販売計画を下方修正したことや、イメージセンサー事業について中国向けの収益回復が想定より遅れるとの見方が示されたことを懸念した売りが出て6.1%安となりました。
パナソニックも通期の業績予想を据え置いたことで失望売りが出て6.9%安となったほか、エムスリーは2021年10-12月期の営業利益が7-9月期の水準を下回ったことで成長鈍化を懸念した売りが出て9.2%安となり昨年来安値を更新しました。また、ファーストリテイリング(9983)も国内のユニクロの1月の既存店売上高が防寒衣料の在庫が少なかったことやセール時期での売り込みが不十分だったことなどから前年同月比で7.1%減となったことで3.7%安となっています。
一方で昨日の引け後に第3四半期決算を発表した豊田通商(8015)が5.3%高となりました。自動車の生産関連と販売ビジネスが好調に推移していることなどから通期の純利益の見通しを1900億円から2100億円に上方修正したことで買いを集めました。前場の11時に第3四半期決算を発表した丸紅(8002)も一時4.8%高となりました。資源価格の上昇を受けて金属事業やエネルギー事業が伸びていることなどから通期の純利益の見通しを3500億円から4000億円に引き上げたことで決算発表直後に上げ幅を広げる場面がありました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は292円安となりました。昨日までの4日間で1,300円以上上げたことで戻り待ちの売りが出やすいなか、昨日の米国市場で取引終了後に決算を発表したフェイスブックを運営する米メタ・プラットフォームズ(FB)が時間外で急落し米株価指数先物が大幅安となったことで下げ幅を広げました。メタ・プラットフォームズの急落が日経平均の戻りを試す展開に一旦水を差す格好となりましたが、こうしたなかで3日の米国ではアマゾン・ドット・コム(AMZN)が決算を発表する予定です。その決算がハイテク株への警戒感を和らげることになるのか、それとも一段と高めることになるのかがポイントとなりそうです。
なお、日本でも決算発表が続いていますが本日も引け後に日本製鉄(5401)やニコン(7731)、任天堂(7974)などが決算発表を予定しています。また、日本時間の21時45分には欧州中央銀行(ECB)理事会の結果が発表されるほか、22時30分には米新規失業保険申請件数が、そして4日の午前零時には1月の米ISM非製造業景況感指数が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)