東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて4日続伸となりました。224円高の27,302円でスタートした日経平均は寄り付きをほぼ安値に上げ幅を広げると11時10分過ぎに471円高の27,550円まで上昇し419円高の27,497円で前場を終えました。399円高の27,477円でスタートした後場の日経平均は14時30分前に486円高の27,564円まで上昇すると結局455円高の27,533円で取引を終え節目の27,500円を回復しています。こうしたなか新興市場も高く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇し、東証マザーズ指数は4.6%高となっています。

2.個別銘柄等

第3四半期決算を発表したブラザー工業(6448)が6.5%高となりました。主力のプリンターの販売が好調なうえ、円安の寄与も見込まれることなどから通期の営業利益の見通しを780億円から820億円に上方修正したことで買いを集めました。キーエンス(6861)も6.2%高となりました。新型コロナウイルス禍で工場の自動化投資の需要が国内外で増加したことから第3四半期の営業利益が前年同期比で61.0%増となったことが好感されました。

また、2021年10-12月期の営業損益が黒字に転換した三越伊勢丹ホールディングス(3099)やANAホールディングス(9202)も高く、三越伊勢丹ホールディングスは4四半期ぶりに営業黒字となったことで5.5%高となり昨年来高値を更新し、ANAホールディングスも8四半期ぶりに営業黒字となったことで6.2%高となりました。さらにアシックス(7936)も中華圏や欧州での販売が予想を上回って推移したことなどから2021年12月期の営業利益の見通しを200億円から215億円に引き上げたことで9.9%高となっています。

一方で後場の13時10分過ぎに第3四半期決算を発表した三菱電機(6503)が4.3%安となり昨年来安値を更新しました。素材価格の上昇や半導体・電子部品の需給逼迫、物流コスト増加などにより自動車機器事業を中心に収益が従来予想を下回ることから通期の営業利益の見通しを2800億円から2600億円に引き下げたことで決算発表直後に下落に転じ下げ幅を広げました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は455円高となりました。景気敏感株に買いが入り昨日の米国市場が続伸となったことで買いが優勢となりました。昨日は一時400円以上上昇しながら戻り待ちの売りに押されて伸び悩み小幅な上昇に止まりましたが、本日は時間外の米株価指数先物が堅調に推移していたこともあって一日を通して上げ幅を広げ節目の27,500円を回復しました。本日は引け後にソニーグループ(6758)が決算を発表します。その決算が明日以降の上昇に弾みをつけるようなものとなるかがポイントとなりそうです。

また、ソニーグループのほかにも本日は引け後に日立(6501)やパナソニック(6752)、3メガバンクなどが決算発表を予定しているほか、2日の米国ではフェイスブックを運営するメタプラットフォームズ(FB)や半導体大手のクアルコム(QCOM)などが決算を発表する予定です。さらに日本時間の22時15分には週末の米雇用統計の前哨戦となる1月のADP全米雇用リポートが発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)