目先、下値を固められるか重要な週となる。先週末の米国株式市場でダウ平均は564ドル上昇し、3万4725ドルで終えた。週間では約1%高と4週ぶりに上昇に転じた。チャートの形状からは底練りに入ったとも見える。米国の長期金利は1.7%台に低下。アップルなどの好業績も確認されるなか、リスクオフのムードは和らいでいる。しかし、FRBの金融政策を巡る不透明感は依然として強く残っている。引き続き、波乱含みの展開に備えておくべきだろう。

今週は月末月初で重要指標・イベントが目白押しだ。31日に日本では12月鉱工業生産、1月消費動向調査、2月1日に日本の12月失業率・有効求人倍率、米国では1月ISM製造業景況指数、2日に米1月ADP雇用統計、OPECプラス、3日に欧州中央銀行(ECB)定例理事会、英金融政策決定会合、米1月ISM非製造業景況指数、そして週末4日に米国の1月雇用統計の発表が控える。ADP雇用統計では非農業部門雇用者の増加幅は20万8000人と、前回の80万7000人から大幅減が見込まれている。これが前回の政府統計の後追いなのかは判断がつきかねるが、実際にこの数字が出てきたら、相場のかく乱要因になりかねないので、一応、警戒しておこう。

注目したいのはISM製造業景況指数での仕入れ価格指数だ。2021年10~12月期の雇用コスト指数は、季節調整済みの前期比で1.0%上昇したが、前期比の伸び率は統計開始以来で最高となった前期(1.3%)から鈍化した。2021年12月の個人消費支出(PCE)物価指数(総合)も前年同月比5.8%上昇し1982年7月以来、約39年半ぶりの高い伸びとなったが、前月比は0.4%で、11月の0.6%から伸びが鈍化した。ここからはインフレが沈静化してくる兆候をいち早く見定めることが勝負のカギを握る。インフレ関連指標はとにかく要注視である。

決算発表も前半戦のヤマ場を迎える。31日にレーザーテック(6920)、コマツ(6301)、TDK(6762)、2月1日にキーエンス(6861)、村田製作所(6981)、HOYA(7741)、2日にソニーグループ(6758)、デンソー(6902)、3日に日本製鉄(5401)などがある。

米国企業の決算もアルファベット(2月1日)、メタ・プラットフォームズ(元フェイスブック)(2日)、アマゾン(3日)とGAFAの後半戦をはじめ佳境に入る。製薬ではギリアド・サイエンシズ(1日)、ノバルティス(2日)、イーライ・リリー、メルク(2月3日)、自動車メーカーではゼネラル・モーターズ(1 日)、フォード(3 日)など。そのほか主要企業ではエクソン・モービル、スターバックス、クアルコムなどの決算発表が予定されている。 

中国は6日まで春節(旧正月)休暇となり、4日に北京五輪が開幕する。ウクライナ情勢もいったんは休戦ムードに入るだろう。これもリスクオフを後退させる要因である。