【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 34,160.78 ▼7.31 (1/27)
NASDAQ: 13,352.78 ▼189.34 (1/27)
1.概況
米国市場は米連邦準備理事会(FRB)が積極的に利上げすることを警戒した売りが優勢となり下落となりました。93ドル高でスタートしたダウ平均は10-12月期のGDPが市場予想を上回ったことを好感して朝方に605ドル高まで上げ幅を大きく広げましたが、買い一巡後に伸び悩むと午後に入って下落に転じその後は前日終値を挟んで一進一退の展開となりました。結局ダウ平均は7ドル安の34,160ドルで取引を終え3日続落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も189ポイント安の13,352ポイントと反落となっています。
2.経済指標等
10-12月期の米実質GDP速報値は前期比年率換算で6.9%増と7-9月期の2.3%増から伸びが加速し市場予想も上回りました。一方で12月の米耐久財受注額は前月比0.9%減となり市場予想を下回りました。12月の中古住宅販売仮契約指数も前月比3.8%低下の117.7となり市場予想を下回っています。また、先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比3万件減の26万件となり市場予想とほぼ一致しました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや公益事業、生活必需品などの6業種が上げ、エネルギーは1%を超える上昇となりました。一方で一般消費財・サービスや不動産、資本財・サービスなどの5業種が下げ、一般消費財・サービスが2%以上下落したほか、不動産も2%近く下げました。
4.個別銘柄動向
インテル(INTC)が1-3月期の利益見通しが市場予想を下回ったことで7%安となりダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。また、他の半導体関連株も下げが目立ち、半導体製造装置のKLA(KLAC)が5%近く下落し、アプライドマテリアルズ(AMAT)も4%安となりました。半導体株ではアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が7%を超える下落となり、マイクロン・テクノロジー(MU)も4%近く下げました。エヌビディア(NVDA)とクアルコム(QCOM)も3%以上下げています。さらに電気自動車のテスラ(TSLA)も11%を超える下落となりました。決算は市場予想を上回る増収増益となりましたが、新型車の生産開始が2023年に遅れると明らかにしたことで売りが膨らみました。
一方で決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったダウ(DOW)が5%余り上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。動画配信のネットフリックス(NFLX)も著名投資家率いる運用会社の株取得が明らかになったことで7%を超える上昇となっています。取引終了後に決算を発表したアップル(AAPL)は売上高や1株利益が市場予想を上回ったことから時間外で上昇しています。
5.為替・金利等
長期金利は0.06%低い1.80%となりました。ドル円は円安が進み115円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は昨日に大きく下げた反動で上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は本日も時間外の米株価指数先物などの動向をにらみながらの展開となりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)