サポートライン割れの窓の種類と大幅安の関係
前回のコラムでは、「特にサポートラインを下回って始まる窓が発生した場合、下降トレンドが発生する窓になるかもしれませんので要注意です」と解説しましたが、残念ながら指摘した通りの展開となってしまいました。また、昨年、2021年8月20日の安値を一時下回るなど、昨年来安値を更新する場面がありました。
このように株価水準が切り上がっていても、サポートラインを下回ってしまう窓が発生すると下落が加速してしまうため、安心できないということを是非覚えておいてほしいと思います。
では、このときに発生した窓はどの窓と考えればよいのでしょうか。このときに発生した窓の位置を考えてみますと、過去の値幅の範囲内ではあるため、コモンギャップ(=普通の窓)と考えた人が多いかもしれません。
ただ、株価が切り上がっているライン(=サポートライン)を一気に割り込んで下方向に放れたため、私はブレイクアウェイギャップ(=突破する窓)ではないかと考えています。
そのような考えのもと、サポートラインを下放れる窓が発生した場合に下降トレンドが発生する可能性があると予測でき、その通りになってしまったわけです。
このようなパターンは、株価のもち合いを上下どちらかに放れたときに発生することが多いため、過去の値幅の範囲内であっても、もち合いの上限や下限を、窓の発生を伴って放れた場合、トレンドが発生する可能性があることを頭に入れておいてほしいと思います。
2つの窓を埋め、日経平均は26,500円前後まで下落してしまうのか
ところで、日経平均の株価水準を見ますと、一時26,890円をつけるなど、取引時間中に27,000円を割り込む場面があったわけですが、そこで気になるのがまだ埋まっていない窓の存在です。
今回のチャートの表示期間が長くなっているのは、過去に発生し、まだ埋まっていない窓を表示するためです。その埋まっていない窓ですが、2020年12月28日と29日にあけた窓(1)と、同年12月23日と24日にあけた窓(2)の2つがあります。
これらの窓を埋めることになるのでしょうか。仮に埋めると考えた場合、26,500円前後まで下落が続くことが考えらえます。
一方で、埋めなかった場合、2022年1月18日と19日の間にあけた窓(3)を埋める水準まで株価が戻ることが考えられそうです。
5日移動平均線を上回ることができるかが、どちらの窓を埋めるかのカギを握る
では(1)と(2)または(3)の上下どちらの窓埋めが考えられるかですが、そのカギを握るのは5日移動平均線になりそうです。
仮に5日移動平均線上を回復して維持するようですと、(1)と(2)の窓を埋めても埋めなくても、反発に転じて(3)の窓を埋めることが視野に入ります。
その反面、5日移動平均線上を終値で回復して維持できないようですと、(1)と(2)の窓を埋めることが考えられると同時に、さらにその前に発生した窓も埋めることが視野に入ってくると思われます。
そのため、今後の値動きには特に注意し、リバウンド狙いの買いは慎重に行う必要があると思われます。