先週1月12日から18日にかけての日経平均株価は上下に大きく変動する値動きとなりました。また、上下に大きく変動したことで窓も発生しています。

それではいつものように先週の値動きを振り返りながら、今後の動向について考えてみたいと思います。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※赤い丸=埋まっていない窓、青い丸=埋まった窓

2つの窓の発生で、株価は上下揺れる形に

前回のコラムでは、「サポートライン上を維持するのはもちろんのこと、5日移動平均線上を回復して維持できるかが反発のカギになる」という主旨の解説をしました。その点を踏まえて見てみますと、1月12日には大幅高となり、終値で下向きの5日移動平均線と上向きの25日移動平均線を上回って終えましたが、翌営業日の1月13日には反落して25日移動平均線を下回ると同時に5日移動平均線まで下落して終えています。

また、1月14日には窓をあけて下落して始まり、前回のコラムで解説したサポートラインを終値で割り込んでいるのが分かります。

この時点で下放れへの警戒が高まりましたが、休み明けの1月17日は反発して小さな窓をあけると同時にサポートライン上を回復する動きとなりました。

さらに1月18日は5日移動平均線を上回って始まり、上げ幅を広げると同時に下向きの25日移動平均線も上回りましたが、結局押し返されて5日移動平均線を下回って終えています。

このように5日移動平均線を終値で上回っても維持できなかったり、取引時間中に上回る場面があっても終値で維持できずに割り込んだまま終えたりする状況は、それだけ売り圧力が強いことになるため、買いのタイミングとして適していないのがお分かりいただけたのではないでしょうか。

そのような中、窓が2つ発生しましたが、その窓は既に埋まってしまっています。日付で確認すると、1月13日と14日にあけた窓と、1月14日と17日の間にあけた窓です。

これらの窓を確認したいと思いますが、もうすでにみなさんはお分かりですよね。
そうです。コモンギャップ(=普通の窓)です。これら2つの窓はコモンギャップだったことから直ぐに埋まってしまい、株価の方向に影響を与える窓にはなりませんでした。

このような窓の発生で、株価が狭いレンジの中ではありますが、上下に変動する値動きになったのではないかと思われます。

サポートラインと5日移動平均線の動きに注目

では今後の動向についてですが、引き続きサポートライン上を維持できるかと、5日移動平均線上を回復できるかがポイントになりそうです。

仮にサポートライン上を維持して5日移動平均線上を回復するようですと、再び25日移動平均線に接近したり、上回ったりすることが視野に入ります。

その反面、5日移動平均線上を回復できずにサポートラインを下回るようですと、もち合いを下放れて下落の勢いが強まり、2021年12月3日の安値に接近したり、割り込んだりすることが考えられます。そうした場合には、買いポジションを持っている投資家は損失の発生や拡大に注意が必要になるのではないかと思われます。

特にサポートラインを下回って始まる窓が発生した場合、下降トレンドが発生する窓になるかもしれませんので要注意です。

今週は重要な局面に差し掛かっていると考えられます。そのため、下方向に窓が発生した場合は注意が必要です。