シティグループ(C)決算:一株利益は1.99ドルで市場予想を上回る
企業概要
シティグループは、100を超える国と地域で事業を展開するグローバルな金融サービス会社である。世界中で基本的な支店業務を提供するグローバル・コンシューマー・バンキング部門、世界中の大口顧客に投資銀行業務、キャッシュ・マネジメント、その他様々な商品・サービスを提供する機関投資家顧客グループの2つの主要部門からなる。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第4四半期(10月-12月期)実績
★総収入・・・前年同期比3%増の170.31億ドル(市場予想は167.98億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・1.99ドル(市場予想は1.62ドル)
10-12月期(第4四半期)の収入、及び調整済みEPSはともに予想を上回った。10-12月(第4四半期)では、市場の予想以上に債券トレーディング収入が落ち込み、トレーディング事業を予想する難しさを改めて示す格好となった。ジェーン・フレーザー最高経営責任者(CEO)は比較的好調な事業を前面に押し出すべく、組織再編に取り組む方針を明らかにした。
今後の株価見通し
同行株のチャートは以下の通りベアトレンド下にある。69ドル超えから、投資タイミングを図ることになろう。
ウェルズ・ファーゴ(WFC):利益は1.38ドルで市場予想を上回る
企業概要
ウェルズ・ファーゴは、米国の最大手銀行のひとつである。総資産額はおよそ$1.9 兆に上る。事業は、リテイル銀行部門、商業銀行部門、企業・投資銀行部門、ウェルス・資産運用部門の主要な4つ部門を通じて展開されている。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第4四半期(10月-12月期)実績
★収入・・・前年同期比13%増の208.56億ドル(市場予想は188.54億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・1.38ドル(市場予想は1.03ドル)
第4四半期決算は利益がアナリスト予想を上回った。米経済成長の回復に伴い企業向け融資が増加したほか、コスト抑制が寄与した。
利益は86%増の58億ドル(1株当たり1.38ドル)。コーポレートトラスト部門およびアセットマネジメント部門の売却益として9億4300万ドルを計上した。一時項目を除く1株利益は1.25ドル。アナリスト予想平均は1.13ドルだった。総収入は13%増の209億ドル。市場予想の189億ドルを上回った。
また貸倒引当金8億7500万ドルを戻し入れた。非金利費用は11%減の132億ドル。人件費や構造改革費用などが減少した。
今後の株価見通し
本日の好決算を背景に、同行株は遂にコロナ禍前の高値を更新し、上値余地を残している。
JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー(JPM)決算:一株利益は3.33ドルで市場予想を上回る
企業概要
JPモルガン・チェース・アンド・カンパニーは、$3兆を超える資産を有する米国最大の複合金融機関の1つである。コンシューマー&コミュニティ・バンキング、コーポレート&インベストメント・バンキング、コマーシャル・バンキング、アセット&ウェルス・マネジメントの4つの主要部門からなる。複数の国で規制下で事業を展開している。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第4四半期(10月-12月期)実績
★収入・・・前年同期比0.6%増の303.49億ドル(市場予想300.12億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・3.33ドル(市場予想2.99ドル)
10-12月期(第4四半期)の収入、及び調整済みEPSはともに予想を上回った。ただし、トレーディング収入がアナリスト予想以上に落ち込んだ。商業ローンと消費者ローンも前年同期を下回った。
21年通期の純利益は前の期比66%増の483億ドルで、通期として最高益となった。新型コロナウイルス下に入った20年に積んだ貸倒引当金を戻し入れたことや、市場やM&A(合併・買収)の手数料収入、個人のカード利用増などが収益に貢献した。
今後の株価見通し
同行決算はハードルが高かっただけに、ショックは大きい。当面下値模索の動きとなろう。