BTCは1月10日に下落し、一時4万ドルを割り込みました。久しぶりの3万ドル台突入となりましたが、その後大きな買いが入り、現在(1月11日午前時点)は4万2000ドル付近まで値を戻してきています。
しかしこの反発は米国株の反発による影響も大きく、一時的だと考えています。前回のコラムで、BTCの買い場は円建てで460万円付近とお伝えしました。その水準に一瞬タッチしましたが、もう一段安があるのではないかと考えはじめました。その理由はFRB(米連邦準備制度理事会)による早期利上げの観測が高まってきたからです。
1月12日(水)には、12月の米CPI(消費者物価指数)が発表されます。2022年は雇用統計よりもCPIやPPI(生産者物価指数)の方が金融市場に影響を与えそうです。これらの結果を株式市場や暗号資産市場は影響を受けると思いますので注意が必要でしょう。
大手投資銀行レポートでは、3月の利上げもほぼ織り込まれており、FRBは2021年と比べてかなり利上げを急ぐ格好となっています。さらに年内に4回の利上げに踏み切るとの観測も高まっています。ここ3ヶ月間で急激なタカ派転向だとみられます。
株式市場、債券市場はテーパリングと金融引き締めにより、ここから資金が米ドルに向かいやすい状況がまだ続くでしょう。
加えて、中国の不動産開発会社のデフォルト懸念、ロシアのウクライナ侵攻、オミクロン株のさらなる感染拡大など、経済停滞を引き起こしかねないリスクは顕在です。リスクオフのドル買いを視野に入れた世界の動きが続くのではないでしょうか。
よって今週も暗号資産市場を下落目線で解説していきたいと思います。
BTC/JPY、押し目買いのターゲットは410-440万円台
一時、460万円台を割り込んだポイントが、ドル建てで4万ドルを割り込んだ水準です。3万9600ドルから切り返しましたが、ここもサポートラインが引けるポイントでしたので反発して当然のポイントだったと思います。ただし、FRBが金融引き締めを急ぐ姿勢が鮮明になっているので、もうしばらくこの流れに押される格好だと考えています。
チャート上、このポイントは下落トレンドライン、SMA30(1ヶ月移動平均線)、515万円前後のレジスタンスラインと条件が多く重なっています。よって、このポイントをバックに戻り売りトレードはワークしやすそうです。
また、短期的なレバレッジトレードにて、515-525万円からのショート戦略は向こう1週間ワークしやすそうです。
1月12日に米CPIが事前予想の前年比+7.1%を上回ると、3月の利上げ観測がより高まり、マーケットは年内4回の利上げを織り込み始めると思いますので、米国株式市場や債券市場はさらに下落するかもしれません。
この値動き後、買い場が到来するように思います。下落したところで拾っていく予定ですが、基本的には今週も変わらず、410-440万円台からの押し目買いをイメージしています。まだ距離があるので、短期的には戻り売りトレード目線で見ていきたいところです。
ETH/JPY、29万円台からの買いを狙う
続いて、ETH/JPY分析に移ります。
40万円のサポートを割り込んでから反発力に乏しく、一度も戻ることなく先に35万円を割り込みました。
私は35万円手前から少額の買指値注文をセットしていましたが、本日(1月11日)、ポジションを解消して更に下からの買いを狙おうと思います。29万円にかけて買い下がるイメージでしたが、BTC以上に、アルトコインは全体的に地合いが悪い形状になりつつあります。
アルトコインはインフレヘッジの通貨ではありませんので、リスクオフ相場ではより売られやすい傾向が見られます。ナスダック総合指数にはハイテク銘柄が多く含まれており、現在、イノベーション系の銘柄は特に売られやすくなっています。
未来のブロックチェーン技術を掲げたコインも同様に下落しつつあり、今後資金繰りが悪化する開発企業も出てくるのではないかと思います。彼らの手持ちコインが売りに出され、よりアルトコインが下落することも考えられます。
ETHでさえも、軟調な展開になりつつあるので、かなり深い押し目買いを検討した方が良いと考えています。そのため、私は戦略を変更し、35万円からの買いを諦め、次のサポートラインである29万円台からの買いを狙おうと思います。
まだ距離があるので、BTCが515-525万円に戻る局面においてETHやXRP(リップル)のショート戦略も短期的には悪くないかもしれません。
今週もベア目線を堅持しつつ、深い押し目待ちの戦略を維持していきたいと思います。