【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 36,799.65  △214.59 (1/4)
NASDAQ: 15,622.72  ▼210.08 (1/4)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。金融株や石油関連株などを中心とした景気敏感株に買いが入りダウ平均は続伸となり史上最高値を更新しましたが、長期金利の上昇を受けてハイテク株に売りが出てS&P500株価指数とナスダック総合株価指数は反落となりました。50ドル高でスタートしたダウ平均は349ドル高まで上昇した後伸び悩むと午後に入って150ドル高程度まで上げ幅を縮めましたが、引けにかけて再び上げ幅を広げると結局214ドル高の36,799ドルで取引を終え前日に続いて史上最高値を更新しています。一方でS&P500株価指数が3ポイント安の4,793ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も210ポイント安の15,622ポイントとなっています。

2.経済指標等

2021年12月の米ISM製造業景況感指数は58.7と前月から低下し市場予想も下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち6業種が下げ、ヘルスケアと情報技術が1%以上下落しました。一方で5業種が上げ、エネルギーが3%を超える上昇となり、金融と資本財・サービスも2%以上上げました。また、素材も1%を上回る上昇となっています。

4.個別銘柄動向

長期金利の上昇を受けて大手金融株が買われ、モルガン・スタンレー(MS)が4%余り上げ、バンク・オブ・アメリカ(BAC)とウェルズ・ファーゴ(WFC)も4%近く上昇しました。JPモルガン・チェース(JPM)とゴールドマン・サックス(GS)も3%以上上げています。また、原油価格の上昇を受けてエクソンモービル(XOM)が4%近く上昇し、シェブロン(CVX)も2%近く上げました。さらにフォード・モーター(F)が人気ピックアップトラックの電気自動車の受注を開始すると発表したことで11%以上上げたほか、ゼネラル・モーターズ(GM)も車載半導体の供給が回復に向かい販売のネックだった在庫不足も改善しているとの見方を示したことで7%を超える上昇となっています。

一方で長期金利の上昇を受けてハイテク株に売りが出るなか電気自動車のテスラ(TSLA)とツイッター(TWTR)が4%を上回る下落となり、アマゾン・ドット・コム(AMZN)やマイクロソフト(MSFT)、アップル(AAPL)も1%以上下げています。さらに半導体株の一角も安くアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が4%近く下げ、エヌビディア(NVDA)も3%近く下落しています。

5.為替・金利等

長期金利は0.02%高い1.65%となりました。こうしたなかドル円では円安が進み116円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が高安まちまちとなったことから小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか昨日に500円を超える上昇となり利益確定の売りが出やすいなかで日経平均が堅調さを維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)