【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 35,950.56  △196.67 (12/23)
NASDAQ: 15,653.37  △131.48 (12/23)

1.概況

米国市場は新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染による入院や重症化のリスクが低いとの調査結果が相次いだことでオミクロン株への警戒感が後退し3日続伸となり、S&P500株価指数が史上最高値を更新しました。28ドル高でスタートしたダウ平均は250ドル高程度まで上昇した後一旦伸び悩みましたが、大きく押すことなく堅調に推移すると取引終盤に再び上げ幅を広げ307ドル高まで上昇しました。しかし、引けにかけて急速に上げ幅を縮めると結局196ドル高の35,950ドルで取引を終えています。また、S&P500株価指数が29ポイント高の4,725ポイントとなり10日に付けた史上最高値(4,712ポイント)を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も131ポイント高の15,653ポイントとなっています。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比で変わらずの20万5000件となり市場予想と一致しました。11月の個人消費支出(PCE)も前月比0.6%増となり市場予想と一致しました。米個人所得も前月比0.4%増となり市場予想と一致しています。また、11月の米耐久財受注額は前月比2.5%増となり市場予想を上回りました。12月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値も70.6と速報値から上方修正され市場予想を上回っています。一方で11月の米新築住宅販売件数は年率換算で前月比12.4%増の74万4000戸となったものの市場予想を下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が上げ、一般消費財・サービスと資本財・サービス、素材が1%以上上昇しました。一方で不動産と公益事業の2業種が下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中25銘柄が上げました。そのなかでもキャタピラー(CAT)が2%高となったほか、ダウ(DOW)、ハネウェル・インターナショナル(HON)、スリーエム(MMM)、ボーイング(BA)、シスコシステムズ(CSCO)、ウォルト・ディズニー(DIS)、アメリカン・エキスプレス(AXP)、アムジェン(AMGN)も1%以上上昇しています。一方でビザ(V)とメルク(MRK)、ウォルマート(WMT)、ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)、トラベラーズ(TRV)が小幅に下げています。

ダウ平均構成銘柄以外ではイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が株の売却がほぼ完了したとツイッターに投稿したことで電気自動車のテスラ(TSLA)が5%を超える上昇となりました。電動トラックのニコラ(NKLA)も最初の納車が完了し今後も納車を予定しているとのツイッターへの投稿を受けて急伸し18%近く上昇しています。

5.為替・金利等

長期金利は0.04%高い1.49%となりました。ドル円は114円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)