東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて小幅に続伸となりました。96円高の28,614円で寄り付いた日経平均は直後に156円高の28,673円まで上昇しましたが、上げ幅を縮め9時20分頃にマイナスに転じると昨日の終値を挟んで小幅に一進一退の展開となり31円高の28,548円で前場を終えました。9円高の28,527円でスタートした後場の日経平均は12時50分過ぎに65円高の28,582円まで上昇した後伸び悩むと14時10分頃にマイナスに転じ14時20分過ぎに43円安の28,473円まで下落しましたが、引けにかけて買いが優勢になると結局44円高の28,562円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も高く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇し、東証マザーズ指数は3.5%高となっています。

2.個別銘柄等

グリー(3632)が一時9.3%高となりました。消却前の発行済株式総数の25.8%に当たる6250万株といった大規模な自己株式の消却を発表したことで買いを集めました。しかし、朝方の買い一巡後に上げ幅を縮め引けは3.3%高となっています。日本通運(9062)も一時2.6%高となりました。自己株式の消却を発表したことに加えて、東京都港区にある旧本社ビルを売却し2022年12月期に固定資産売却益として約530億円を計上すると発表したことで資産効率の向上を評価した買いが入りました。

一方で日本オラクル(4716)が10.0%安となりました。製造や流通、サービス業でクラウドサービスの導入が進んだことや、地方拠点の一部を縮小するなど固定費を削減したことも寄与し上期の営業利益が前年同期比で3.1%増と増益を確保しましたが、市場予想に届かなかったことで売りがかさみました。ツルハホールディングス(3391)も5.3%安となり年初来安値を更新しました。キャッシュレス決済の手数料や新規出店などによる人件費上昇といったコスト増が響き上期の営業利益が前年同期比で18.9%減と大幅な減益となったことが嫌気されました。西松屋チェーン(7545)が一時3.3%安となり年初来安値を更新しました。春物衣料が順調に立ち上がったものの、冬物衣料が冴えなかったことから12月の既存店売上高が前年同月比で3.7%減と前年割れとなったことで売りが優勢となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は44円高となりました。値ごろ感からの買い戻しが入り昨日の米国市場が4日ぶりに大幅反発となったことで買いが優勢となりました。しかし、昨日に580円近くも上げていたこともあって戻り待ちや利益確定の売りが出て朝方の買い一巡後に上げ幅を縮めました。本日は25日移動平均線(28,670円)で上値が押さえられましたが、明日以降も買いが優勢となった場合には上値抵抗線として意識されやすい25日移動平均線や100日移動平均線(28,764円)、さらに200日移動平均線(28,835円)を超えて水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。なお、日本時間の22時30分に7-9月期の米GDP確報値が発表されるほか、23日午前零時には12月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数や11月の米中古住宅販売件数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)