東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は大幅続落となりました。米国株安を受けて220円安の28,325円で寄り付いた日経平均は9時10分過ぎに293円安の28,252円まで下落した後やや持ち直すと28,300円台でしばらく推移しましたが、中国人民銀行による利下げを受けて10時30分過ぎからさらに下げ幅を広げると11時10分過ぎに530円安の28,015円まで下落し490円安の28,055円で前場を終えました。517円安の28,028円でスタートした後場の日経平均は一段安となり13時過ぎに637円安の27,908円まで下落した後13時20分過ぎに490円安の28,055円までやや持ち直しましたが、上値は重く再び下げ幅を広げ14時50分過ぎに652円安の27,893円まで下落すると結局607円安の27,937円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落し、東証マザーズ指数は17日に付けた年初来安値を更新しています。
2.個別銘柄等
中国人民銀行が利下げに動いたことで中国景気への懸念が出るなか中国関連株の一角が安く、日立建機(6305)が4.2%安、ダイキン工業(6367)が4.8%安、ファナック(6954)も3.0%安となりました。また、住友ゴム工業(5110)が投資判断と目標株価の引き下げを受けて5.4%安となるなか、ブリヂストン(5108)や横浜ゴム(5101)などにも売りが波及し、ブリヂストンが4.3%安、横浜ゴムも4.5%安となっています。西松屋チェーン(7545)も4.9%安となりました。プライベートブランド(PB)商品の拡充など低価格戦略を強化したことで客単価がわずかに減ったことや、広告宣伝費などの経費が増えたことなどから第3四半期の営業利益が前年同期比で1.8%減と小幅ながら減益となったことが嫌気されました。後発医薬品大手の東和薬品(4553)も3.8%安となりました。サプリメントなど健康食品の開発や受託生産を手がける企業を約476億円で買収すると発表したことで財務負担を懸念した売りが出ました。
一方でオリンパス(7733)が自己株式を除く発行済株式総数 1.24%に当たる1600万株と300億円を上限とする自社株買いや、事業の一部売却を発表したことで一時3.0%高となりました。しかし、朝方の買い一巡後に上げ幅を縮めるとマイナスに転じ1.1%安で取引を終えています。マザーズ市場ではバルミューダ(6612)がオンラインストアで使える割引クーポン券の株主優待制度を導入すると発表したことで3.8%高となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は607円安となりました。先週末の米国株安を受けて下落してスタートすると、中国人民銀行(中央銀行)が1年8ヶ月ぶりの利下げに動いたことで中国景気への懸念が出て下げ幅を大きく広げました。一目均衡表や節目の29,000円、200日移動平均線、100日移動平均線などを次々と割り込み大幅安となった翌営業日に大きく下げ節目の28,000円を下回ったことから下値への警戒感が一段と意識されそうですが、2日間で1,100円以上も下げたことから明日以降の切り返しに期待したいところです。なお、日本時間の21日午前零時には11月の米景気先行指標総合指数が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)