【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 35,970.99 △216.30 (12/10)
NASDAQ: 15,630.60 △113.23 (12/10)
1.概況
先週末の米国市場は11月の米消費者物価指数(CPI)の伸びが市場予想と一致し予想の範囲内に収まったことでインフレ加速への懸念が後退しハイテク株などに買いが入り反発となり、S&P500株価指数が史上最高値を更新しました。75ドル高でスタートしたダウ平均は朝方に200ドル高近くまで上昇した後上げ幅を縮めるとマイナスに転じましたが、44ドル安で下げ渋ると再びプラスとなり午後に入って上げ幅を広げ結局216ドル高の35,970ドルと高値圏で取引を終えています。また、S&P500株価指数も44ポイント高の4,712ポイントとなり先月18日に付けた史上最高値(4,704ポイント)を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も113ポイント高の15,630ポイントとなっています。
2.経済指標等
11月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比6.8%上昇し1982年6月以来39年5ヶ月ぶりの高い伸びとなりましたが市場予想と一致しています。また、12月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値は70.4と前月から上昇し市場予想を上回りました。さらに11月の米財政収支の赤字額は前年同月比31.7%増の1913億ドルとなっています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも情報技術が2%余り上昇したほか、生活必需品も2%近く上げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄はインフレ加速懸念が後退しハイテク株に買いが入るなかシスコシステムズ(CSCO)とマイクロソフト(MSFT)、アップル(AAPL)が3%近く上げ、アップルは上場来高値を更新しました。また、コカ・コーラ(KO)も2%以上上げ、ハネウェル・インターナショナル(HON)とウォルマート(WMT)も2%近く上昇しています。一方でゴールドマン・サックス(GS)とボーイング(BA)が1%以上下げています。
ダウ平均構成銘柄以外では、決算が市場予想を上回る増収増益となったことで半導体大手のブロードコム(AVGO)が8%を超える上昇となったほか、オラクル(ORCL)も決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったことから15%以上上げています。
5.為替・金利等
先週末の長期金利は0.02%低い1.48%となりました。ドル円は113円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の28,500円を超えてどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。また、本日は寄り付き前の8時50分に日銀短観が発表される予定で注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)