東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株高を受けて大幅反発となりました。211円高の28,138円で寄り付いた日経平均は取引開始から20分余りで34円高の27,961円まで上げ幅を縮めましたが、マイナスになることなく踏み止まると上げ幅を広げ10時50分に411円高の28,339円まで上昇し354円高の28,282円で前場を終えました。379円高の28,306円でスタートした後場の日経平均はさらに上げ幅を広げ大引け間際に691円高の28,618円まで上昇し高値を付けた後大引けにかけて上げ幅を縮めましたが結局528円高の28,455円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も高く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って上昇となっています。
2.個別銘柄等
ソフトバンクグループ(9984)が7.9%高となりました。昨日まで7日続落となり大きく水準を切り下げ連日で年初来安値を更新していたことや、昨日の米国市場で出資するアリババ集団(BABA)や傘下ファンドを通じて出資する中国の配車アプリ大手のディディ(DIDI)が揃って急伸となったこともあって短期的な上昇を見込んだ買いが入り大幅高となりました。
キヤノン(7751)も3.2%高となりました。暗闇でも高画質でカラー撮影できる画像センサーを開発し2022年から量産すると伝わったことが材料視されました。青山商事(8219)も4.9%高となりました。スーツは低調に推移したもののフォーマルなどが好調だったことから11月のビジネスウエア事業の既存店売上高が前年同月比6.2%増と2ヶ月連続で前年を上回ったことが好感されました。また、新型コロナウイルスの変異株への過度な警戒感が後退したことで昨日の米国市場で空運株が大きく上昇した流れを受けて日本航空(9201)やANAホールディングス(9202)も買われ、日本航空が4.6%高、ANAホールディングスも3.8%高となりました。
さらに投資判断や目標株価の引き上げに好反応を示したのが日本電波工業(6779)や丸紅(8002)で、日本電波工業は目標株価の引き上げを受けて16.0%高となり、丸紅も投資判断と目標株価の引き上げを受けて5.0%高となりました。一方で日本水産(1332)が投資判断と目標株価の引き下げを嫌気して5.6%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は528円高となりました。バイデン米政権の医療顧問トップが新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」について重症化の度合いがそれほど高くないとの認識を示したことでオミクロン株への過度な警戒感が後退し昨日の米国市場でダウ平均が650ドル近く上昇し今年最大の上げ幅となったことから大幅高となりました。また、東証1部の騰落レシオが昨日時点で75.9%と80%を下回り引き続き売られ過ぎとなっていたこともあって買いが入りやすかったともいえそうです。大きく上げ幅を広げ500円を超える上昇となったことで下値への警戒感が後退しそうですが、こうしたなかで明日以降も買いが優勢となった場合には本日引けで上回ることができなかった節目の28,500円や先月末に上値を押さえられた100日移動平均線(28,704円)を回復できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)