東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株安を受けて反落となりました。219円安の27,716円で寄り付いた日経平均は直後に290円安の27,644円まで下落した後持ち直すと9時30分過ぎにプラスに転じましたが、2円高の27,938円で上値が押さえられると再び下げ幅を広げ184円安の27,750円で前場を終えました。

176円安の27,758円でスタートした後場の日経平均は直後に191円安の27,744円まで下落した後13時20分前に41円安の27,894円まで持ち直しましたが、戻し切れないと引けにかけて下げ幅を広げ結局182円安の27,753円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落し、東証マザーズ指数は3.0%安となっています。

2.個別銘柄等

日本ハム(2282)が一時3.7%高となりました。主力ソーセージのシャウエッセンなど家庭向けや業務用商品など400品目以上の出荷価格を5-12%引き上げると発表したことで収益改善への期待が高まりました。また、目標株価の引き上げを受けて大手海運株が高く、日本郵船(9101)が5.3%高、商船三井(9104)が7.6%高、川崎汽船(9107)が11.4%高となりました。

さらにカシオ計算機(6952)も投資判断や目標株価の引き上げを受けて一時4.9%高となり、ニチコン(6996)も目標株価の引き上げを受けて3.9%高となりました。インターネット広告のアドウェイズ(2489)は発行済株式総数の14.29%に当たる600万株と30億円を上限とした自社株買いを発表したことで6.6%高となっています。

一方で新型コロナウイルスの感染が拡大すれば航空機の受注が減るとの見方により昨日の米国市場でボーイング(BA)が大幅安となったことからボーイング関連銘柄の三菱重工業(7011)や川崎重工業(7012)、IHI(7013)が安く、三菱重工業が一時2.2%安、川崎重工業が一時2.6%安、IHIも一時3.1%安となり、三菱重工業と川崎重工業は年初来安値を更新しています。

ソフトバンクグループ(9984)も5.1%安となり年初来安値を更新しました。傘下のファンドを通じて保有する料理宅配大手の米ドアダッシュ(DASH)が昨日の米国市場で10%近い下げとなったことから大幅安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は182円安となりました。米国で新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の初の感染者が確認されたことで昨日の米国市場が大幅続落となったことから売りが優勢となりました。東証1部の騰落レシオが昨日時点で75.0%となるなど引き続き短期的に売られ過ぎとなっていたこともあって押し目買いが入り一時プラスとなるなど下げ渋る場面もありましたが、上値は重く昨日の終値をわずかに上回ったところでは伸び悩みました。

オミクロン株への警戒感が依然として強いことからオミクロン株への情報に一喜一憂する展開がしばらくは続きそうです。なお、日本時間の22時30分には米新規失業保険申請件数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)