【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 34,899.34 ▼905.04 ( 11/26 )
NASDAQ: 15,491.66 ▼353.57 ( 11/26 )
1.概況
米国市場は感謝祭の翌日で短縮取引でしたが南アフリカで新型コロナウイルスの新たな変異型が確認されたことで世界経済の回復が遅れるとの見方から大幅下落となりました。437ドル安でスタートしたダウ平均は昼前に1,054ドル安まで下落した後下げ渋り一旦730ドル安程度まで持ち直しましたが、引けにかけて再び下げ幅を広げると結局905ドル安の34,899ドルで取引を終え、下げ幅、下落率ともに今年最大となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も353ポイント安の15,491ポイントとなりました。
2.経済指標等
主要な経済指標の発表はありませんでした。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでもエネルギーが4%安となったほか、金融も3%を超える下落となりました。また、資本財・サービスと不動産、一般消費財・サービス、情報技術も2%以上下げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄はベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)を除く29銘柄が下げました。そのなかでもアメリカン・エキスプレス(AXP)が8%を超える下落となったほか、ボーイング(BA)も5%以上下げています。また、キャタピラー(CAT)も4%安となり、メルク(MRK)とトラベラーズ(TRV)、アップル(AAPL)、コカ・コーラ(KO)、JPモルガン・チェース(JPM)も3%以上下落しています。ダウ平均構成銘柄以外では旅行やレジャー関連株の下げが目立ち、空運のユナイテッド航空ホールディングス(UAL)が9%を上回る下落となり、アメリカン航空グループ(AAL)とデルタ航空(DAL)も8%以上下げました。クルーズ船ではロイヤル・カリビアン・クルーズ(RCL)が13%余り下げ、カーニバル(CCL)も11%近く下落しています。一方ですごもり関連が買われビデオ会議システムのズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(ZM)が5%を超える上昇となり、動画配信のネットフリックス(NFLX)も1%余り上げ堅調でした。さらに新型コロナウイルスワクチンの需要拡大期待からファイザー(PFE)やモデルナ(MRNA)が高く、ファイザーが6%以上上げ、モデルナも20%余り上昇しています。
5.為替・金利等
債券市場が感謝祭の翌日で短縮取引となるなか長期金利は0.15%低い1.48%となりました。ドル円ではリスク回避姿勢が強まったことで円が買われ113円台半ばで推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は先週末の米国市場でダウ平均が今年最大の下げとなったことから大きく下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は下値模索の展開となりそうです。
( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)